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ハリーはウィーズリー家に泊まりに行く前日の木曜日の深夜、ダンブルドアが迎えに来ては隠れ穴に行く前に手伝って貰いたい事がある。という言葉に、シリウスは携帯の煙突飛行粉を持たせ、まるで「早く出かける分、早く帰って来い」と言いたげで、ハリーは思わず笑った。
だがダンブルドアはレンも一緒に来なさいと言えば、シリウスは不思議そうにし、レンも同席してくれていた方が事が良いかとおおもっての。と、ダンブルドアは悪戯っぽく言った。
ダンブルドアは杖腕に手袋をしているかの様に隠しており、その手に触れられるのは嫌な様で、ハリーを反対側の腕に触れさせると、ハリーはレンと手を繋ぎ其処から姿をくらます。
次に姿を現したのはどこやら寂れた村の小さな広場で、その広場には戦争記念碑が建ち、ベンチがいくつか置かれている。
ハリーは姿現しを初めて体験した様で、冷たい夜気を胸いっぱいに吸い込んではゆっくりと瞳を開いたが、その瞳は涙目になっていた。
「大丈夫?」
レンがそう声をかけると「細いゴム管の中を無理矢理通り抜けたみたい。」と一言言いながら耳を擦るハリーに小さく笑ってしまった。
「この感覚には慣れが必要でのう。」
「煙突飛行で思いっきり尻餅をつくよりはマシだわ。」
そうレンが悪戯っぽく言うと、ダンブルドアは微笑んだ。
「僕は箒の方が良いかな。レンも箒が好きになる様に教えなきゃ。」
「えー。ハリーの箒は速いもの。私の声が枯れてしまうわ。」
「スピードを出さなきゃ良いじゃないか。」
そう言ってはハリーは笑う…が、深夜な所為もあり声は控えめだ。
ダンブルドアは二人を引き連れキビキビとした歩調で空っぽの旅籠や何軒かの家を通りすぎた。
「ところでハリー。キミの傷痕の事じゃが、あれから痛むかの?」
ハリーは思わず手を上げてはその稲妻型の傷痕を擦り「いいえ。」と一言答えれば言葉を続ける。
「でもそれがおかしいと思っていたんです。ヴォルデモートがまたとても強力になったのだから、しょっちゅう焼ける様に痛むだろうと思っていました。」
その言葉にダンブルドアは「レンはどう思うかの?」と一言。
「今その話を聞いたばかりだから判断材料に欠けるけれど、私はその逆だと思います。ヴォルデモートはハリーを乗っ取ろうとして失敗をした。何か魔法を残すとかかけるとかせずにそのまま追い出された、というか逃げ出したって言うべきか…。そんな態度をとった事柄に対してもう一度同じ事はしないと思うんです。」
そう答えるレンにハリーは驚いた様子だったが、ダンブルドアは満足げな表情をしていた。


(P.3/全P.208)
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