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黄褐色の髪やふさふさした眉は白髪混じりの年老いたライオンの様な風貌で、細縁眼鏡の奥には黄色味がかかった鋭い眼があった。
僅かに足を引き擦ってはいたが、手足は細長く、軽やかで大きな足取りには一種の優雅さがあり、俊敏で強靭な印象が伝わってくる。
「お初にお目にかかります。ミスター・スクリムジョール。」
「この様な時間の突然にも関わらずお会いしてくださり、感謝致します。ミス・クレスメント。この度魔法省大臣に就かせていただく事になりました故、遅くなってしまいましたが貴女様には是非ご挨拶をと。」
「態々御足労を恐れ入ります。」
レンは椅子にかけて下さいと言えば、この様なものしかございませんがと、茶と茶菓子を用意し、お気を遣わないで下さいとスクリムジョールは恐縮した様子だった。
「…シリウス・ブラック…なぜお前が此処に…?」
「私が此処に居ては不都合かね?」
「…いや。お前が此処にいるとは思ってもいなかったものでな。」
「尋問の時にも言ったがこの子は私の娘だ。一緒にいる事は自然な事だろう?なんせ誰かさんの所為で今まで父親としての義務を果たしてはやれなかったしな。それに私の無実は証明されている。」
そう言いレンの座る傍に立ちながら、睨みを効かせるシリウス。
「部外者はご退席願いたいのだが?」
「私はこの子の保護者だ。同席する権利はある。」
「彼女は子供ではない。」
「お前らの勝手な都合でな。年齢はまだ成人していない。」
2人は睨み合っていたが、スクリムジョールは溜息を吐きながら視線をそらせば真っ直ぐにレンを見つめる。
どうやらいないものとして話を進める事にしたらしい。
「アンブリッジ女史の話によれば、ホグワーツでは貴女様に多大なご迷惑をおかけしたと…本当に申し訳ない。私に代わりましてからは、このような失態は二度と犯さぬ様、心して行きます故…どうか…」
あぁ、この人もファッジと同じ部分があるのだなとレンは密かに思ってしまった。
クレスメントが魔法省を見放した。その事実だけは避けたいのであろう。
「アンブリッジ女史がどの様にお話しなさったのか私は存じ上げませぬが…私は世の平和を願っているだけです。家族と平和に暮らせればそれで十分。その為になら私の力を使う事も厭いません。が、魔法省に協力するかどうかは、その都度しっかりと考えさせて頂きたく思っております。」
「えぇ、その様にご慎重になられるのも判ります。共に戦えます様、私共も精進して行きます故。」
レンはそれに口元だけ笑み小さく頷いた。
「無実の罪でアズカバン送りにされる人物は私が最後にして欲しいものだな。」
そう最後にシリウスが嫌味を言えば、まるで不快な物を見るかの様な視線をシリウスに向け、スクリムジョールは帰って行く。


(P.15/全P.208)
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