しおりを挟む / しおり一覧

「…そう言えば、いつもより早く結界を貼り直せて、亡者を燃やした火の魔法もいつもより火力があがった様な…でもそれは杖を変えたから、かもしれませんし…。」
シリウスは心配そうに頭を撫でてくれ、レンは「あ!」と思い出した様に腕の印を隠す包帯を解いてはそれをシリウスとハリー、ダンブルドアに見せると、3人は驚いた様だった。
「夢の中で母さんと若い頃のシリウスやリーマス達と逢ったんです。母さんが、傷の手当てをして、この印を見たら…死喰い人のものと紛らわしいからってこの印を上から付けてくれました。夢とばかり思っていましたけど…これは何か関係あるのでしょうか?」
ダンブルドアは、ふむ…と一言漏らすと、×印のついたそれを見てはそっと手を触れた。
「ふむ…ワシの推測じゃが…その夢というのは、一時的に過去に行っておったのかもしれぬ。」
「私は覚えてないな…。」
そう言うシリウスにダンブルドアは小さく笑む。
「忘れ去られたか、何かの施しがあったのかもしれぬ。…この印からは強い力を感じる事から、もしかしたらアクアは、レンが過去に戻った時、自分の身にもしもの事があったと察し、念の為に力を託せる様術を施したのかもしれぬ。レンの中のヴォルデモートと同じ部分を封じる様に弱らせておけるのだからのう。アクアの亡き体に眠るその力をレン、お主の力となる様…。その可能性が高いじゃろうとは思うが、精神的な部分が理由という可能性も捨てきれぬ。」
「もしそんな理由だとしたら、母に認めてもらえたみたいで何だか嬉しいです。」
レンはそう言うとダンブルドアは楽しそうに小さく笑った。
「それでの、今日顔を出した用件なのじゃが。」
レンは、本題はそれじゃなかったのかと密かに思えばダンブルドアの瞳が悪戯っぽく輝いた。
「レン、キミはリーマスやシリウスが任務の時はハリーと共に隠れ穴に身を寄せておいておくれ。」
「でも…私がいたら…モリーおば様も安心出来ません。」
「そのモリーからの頼みじゃ、レン。キミを一人にしておきたくないが、招待に応じてくれぬと相談されたのじゃよ。」
その言葉にダンブルドアのところにまで…と、シリウスは苦笑をする。
「気持ちは解りますが、2人は子供ではない。自分の身くらい自分で守れます。」
「…それに私が居る事で襲われでもしたら…。」
「あそこの守りは万全じゃが、心配なら日中は隠れ穴で過ごし、寝起きは此処ですると良かろう。」
ダンブルドアはハリーに頼んだぞ。と悪戯っぽく瞳を輝かせて言った後、お暇しようとそそくさと帰って行ってしまった。
むーっと納得できていない様に唇を尖らせるレンにシリウスはポンポンと頭を撫でてくれる。
「どうせ彼処が本部になっていて、一度は立ち寄る事になっている。帰りは3人で一緒に帰ろう。」
レンは行くか行くまいか悩んだが、ダンブルドアが言いに来たという事は、逆らわずに素直に来ると思っていそうだと思えば溜息交じりにそれに従い、シリウスを見送ると鞄を持ってハリーと隠れ穴へと姿くらましをした。


(P.29/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ