第26話
「そういえば昨日、貴女帰りが遅かったけれどなにしてたの?」
「スネイプ先生のところに聞きに行くって言ったでしょう?」
「それにしては遅かったじゃない。」
「ついでに書類の整理を手伝わされたのよ。虫の居所でも悪かったんじゃないかしら。」
なんて事ないと言いたげに言えば、これ以上レンに話かけさせない様にしたかったのか、ジョージが「ロン、さっきから熱心に何見てんだ?」と声をかける。
「あ?なんでもない。」
ロンは慌ててバーから目を逸らしていたが、レンは今し方香った香りの方が気になりそちらに視線を向けると、お手洗いの方に誰か歩いて言った様だ。
「『なんでもない』さんは、裏の方で、ファイア・ウィスキーを補充していらっしゃると思うわ。」
「なんだ、お前。マダム・ロスメルタに夢中なのか?」
ハーマイオニーは嫌味ったらしく言い、ジョージはニヤニヤしながらそう言えば「魅力的な曲線美美女だもんなぁ?」とロンを揶揄い続けたが、ロンは2人のツッコミを無視しては、バタービールをチビチビやりながら威厳がある体で沈黙を保っていた。
「なに見てんだ?」
ハリーはなにやら考え事を始めた様だったし、ロンは沈黙を保ち続ける所為で飽きたのか、ジョージはレンの耳元でそう囁くとレンは視線をジョージに向ける。
「なんか変に魔法の香りがして…。」
そう言い少しすれば、お手洗いの方からケイティが出て来たのが判り、レンは残りのバタービールを一気に飲み干しては「先に行くわ。」と立ち上がると「送ってくよ。」とジョージも同じ様に立ち上がる。
「ううん、此処で大丈夫よ。城までは真直ぐだし。今日は色々有難う、助かったわ。後で必ず連絡するから。」
そう言うとレンはジョージの額に口付けてお礼をすると「こうすると貴方は元気が出るのでしょう?」といたずらっぽく笑っては急いで店を後にした。

急いで後を追ったが、この最悪な天候に視界が悪く、やっと追いついた!と思った時にはもう既にケイティとその友達らしき女生徒は言い争いをしていた。
「ケイティ、貴女やっぱり変よ。それの所為なの?それを渡して。」
「リーアン、貴女には関係ないわ!」
リーアンと呼ばれた彼女はケイティがよほど心配なのだろう、その包みを奪おうとグッと掴み引き寄せようとするも、ケイティもそれに争い包みを引き寄せれば、その包みが破れた次の瞬間だった。
ケイティは2m以上はあるだろう上空に飛び上がったかと思えば、其処にある見えぬ十字架に磔にされているかの様なポーズのまま、劈く様な悲鳴を上げた。