「そしてレンとハリーにシリウスの金庫の中身が半々で遺され、その他に2人の共有財産として、ヒッポグリフのバックビークが遺されておる。先にレンの意見は聞いたのじゃが、ハリーはどうしたいかね?」
「レンの意見に任せます。」
ハリーはそうはっきりと言えば、意見を聞かずに任せてしまって良いのかね?と一言。
「勿論。レンならバックビークにとって一番良い判断をしてくれていると思うので。」
「随分と信頼しておる様じゃのう。それならば、レンの願い通り、バックビークはウィザウィングズと名を変えハグリッドの元に戻すとしよう。名を変えずとも、あの処刑人達が同じヒッポグリフと判断出来るかは謎ではあるが、念には念を入れてのう。」
ダンブルドアは嬉しそうにそう言うと、ハリーもどこか照れ臭そうにするが、それは直ぐにバツの悪そうな表情へと変わる事になる。
そう、ダンブルドアがハリーに「さぁ、ハリー。トランクは詰め終わっているかね?」と尋ねたのだ。
「えーと…。」
「ワシが現れるかどうか疑っていたのじゃな?」ダンブルドアは鋭く指摘したが、ハリーは「あー…ちょっと行って…仕上げをしてきます。」ハリーは急いでそう言うと落とした2つのものを慌てて拾い上げては慌てて部屋に戻っていく。
その場に残されたレンはなんとも居心地の悪いものだった。
痛々しいほどの沈黙が走っているのにも関わらず、ダンブルドアは小さくフンフンと鼻歌を歌い、すっかりと寛いだ様子だった。
「レンは…ハリーと仲が良いの?」
ダドリーがそう声をかけてきてくれた事に心底嬉しかったのはこの時が初めてだろう。
「ダドリーと一緒だった学校から、ずっと一緒だから…自然とね。同じ寮でもあるから。…私が魔女なのはもう知っているでしょう?」
ダドリーはコクコクと頷く。
「グリフィンドールっていう寮に私とハリーは属していているの。」
そう説明するも頷くだけで声を出さないダドリーに「私が怖い?」と、苦笑まじりに言うと、一家3人に緊張が走る。
「怖くても無理はないわ。貴方達にとって魔法は未知だものね…でも、私は貴方達をどうこうするつもりはないから。もし何かあった時は頼ってちょうだいね。」
「こ、怖くない。だってレンは…あの時と変わらないし、俺を助けてくれた。」
あの時?と首を傾げると、頬を赤らめゴニョゴニョというダドリーに「良く判らないけど、有難う。」そう言っては微笑むとダドリーは顔を赤らめてコクコクと頷いた。
それからまた話題もなくなり痛々しい程の沈黙が流れ、ハリーを手伝いに行った方が…と漏らすも、ダンブルドアにご厚意に甘えて此処で待たせてもらおうぞ。と、相変わらず機嫌が良さそうだった。
レンはこの空気に、ハリーが戻ってくるまでの十分ちょっとを「早く帰ってきて。」と思わず願ってしまった。