ハリーは片手にトランク、片手にヘドウィグの籠を玄関に置いて再び居間に戻ってきた時は、がっかりした様な表情だったが、居間の空気にダーズリー一家を見る事が出来ず「用意ができました。」と声をかけレンの側に来ては「うん、色々ごめん。」と苦笑まじりに囁いた。
「石像になりたいと思ったわ。」
そうハリーの耳元で囁けば、ハリーは思わずにやりと笑ってしまった様だった。
「では、最後にもう1つ。当然お判りの様に、ハリーは後一年で成人となる。」
ダンブルドアがダーズリー一家にそう話をかけるも「違うわ。」とペチュニアは初めて口を開いた。
「と、仰いますと?」
ダンブルドアは礼儀正しく聞き返した。
「いいえ、違いますわ。ダドリーより1ヶ月下だし、ダッダーちゃんは後2年経たないと18にはなりません。」
「あぁ。」
ダンブルドアは愛想よく言った。
「しかし、魔法界では17歳で成人となるのじゃ。」
「生意気な。」
バーノンがそう呟いたが、ダンブルドアには都合よく聞こえなかった様だ。
「さて、既にご存知の様に、魔法界でヴォルデモート卿と呼ばれている者が、この国に戻ってきておる。魔法界は今戦闘状態にある。」
「レンは…レンも危険なのか?」
いきなりダンブルドアの声を遮り震える声を漏らしたのはダドリーだった。
「レンは去年あった時、怪我してた!それはレンも変わらず危険って事なのか?」
「左様。誰だろうとその身は危険に晒されておる状態じゃろう。特に彼女は特別な力を持っており、その存在は魔法界においても貴重な存在じゃ。必然的に彼女が狙われるのも仕方なかろう。」
ダンブルドアがそう言うと、ダドリーは顔色を青くさせてはレンを見つめ、レンは「有難う。大丈夫よ。」と、ダドリーに声をかければ、ダンブルドアは言葉を続けた。
「ヴォルデモート卿がすでに何度も殺そうとしたハリーは15年前よりさらに大きな危険に晒されているのじゃ。15年前とは、ワシがそなた達に、ハリーの両親が殺された事を説明し、ハリーを実の息子同様に世話をするよう望むという手紙をつけて、ハリーをこの家の戸口に置き去りにした時の事じゃ。」
ダンブルドアは気軽で静かな声だったし、怒っている様子は全く見えなかったが、ダンブルドアから何かひやりとする空気を感じていたレンは、あそこで口を挟めたダドリーは凄い。と、思うも、ダーズリー一家が僅かに身を寄せ合っており、あぁ、気付いてなかったのか。と苦笑した。
「そなた達はワシが頼んだ様にはせなんだ。ハリーを息子として遇した事はなかった。ハリーはただそなた達の手で度々残酷に扱われていた。せめてもの救いは、2人の間に座っておるその哀れな少年が被った様な言語道断の被害をハリーは免れたという事じゃろう。」
ペチュニアやバーノンは反射的に辺りを見回した。