2人の間に挟まっているダドリー以外に誰かが居る事を規定した様だった。
「我々が…ダッダーを虐待したと?…何を?」
バーノンがカンカンになってそう言いかけたが、ダンブルドアは人差し指を上げて静かにと合図した。
するとバーノンは口が聞けなくなってしまったかの様に沈黙が訪れる。
「ワシが15年前にかけた魔法は、この家をハリーが家庭と呼べる内はハリーに強力な保護を与えるというものじゃった。ハリーがこの家でどんなに惨めだったにしても、どんなに疎まれ、どんなに酷い仕打ちを受けていたにしても、そなた達は渋々であったが、少なくともハリーに居場所を与えた。この魔法はハリーが17歳になる時に効き目を失うであろう。つまりハリーが、一人前の男になった瞬間にじゃ。ワシは1つだけお願いする。ハリーが17歳の誕生日を迎える前に、もう一度ハリーがこの家に戻る事を許して欲しい。そうすれば、この時が来るまでは守りは確かに継続するのじゃ。」
「1つ聞きたい事がある。」
そうバーノンは絞り出す様に声を出し、ダンブルドアは答える気になったのか其方に視線を向ける。
「此奴の名付け親が此奴の父親だとするならば、何故ハリーは此奴の元へとやらなんだ?」
「それは至って簡単な理由じゃ。名付け親は無実の罪を着せられ投獄されておった。やっと無実が証明された時、彼は殺されておったのじゃ。」
そう言った後、バーノンの視線がレンに向き「父親がダメでも母親がいるだろう」と一言、レンは悲しそうに眉を下げてしまう。
「母は…同じく父の様にハリーを親友の忘れ形見を引き取ろうとした筈です。ですが…色々あって心が壊れ、父の無実を訴えながら自害しました。私はあの家で…親戚から隔離されて育ったんです。ですから、ダンブルドア先生が私の家にハリーを預ける事は叶わなかった。」
「普通は施設に送るもんだ。」
「そうですね。そうだったら…どんなに私の過去は変わっていたか…。普通で在れるのなら在りたかった。それはハリーも同じでしょう。」
そう言うと口を開きかけたバーノンだったが「さて、そろそろ出発の時間じゃ。」とダンブルドアが遮る。
立ち上がっては黒いマントのシワを伸ばし「またお会いする時まで。」とダンブルドアは挨拶したが、ダーズリー一家は自分達としてはその時が永久にこなくて良いという顔をしていた。
帽子を脱いで挨拶した後、ダンブルドアはすっと部屋を出た。