第4話
「お邪魔しました。」
レンはぺこりと頭を下げてそう言い、ダンブルドアの後を追い、ハリーは「さよなら。」と急いで挨拶をすれば、レンの後ろをついてくる。
ダンブルドアはヘドウィグの鳥かごを上に乗せたトランクの側で立ち止まった。
「これは今の所邪魔じゃな。隠れ穴で待っている様に送っておこう。ただ、透明マントだけは持って行きなさい。万が一の為にじゃ。」
ダンブルドアはそう言い再び杖を取り出すと、ハリーはレンとダンブルドアにトランクの中を見られまいと苦労しながら透明マントを引っ張り出し、それを上着の内ポケットにしまい込むと、ダンブルドアが杖を一振りし、トランクも、鳥籠も、ヘドウィグも消えた。
ダンブルドアが更に杖を振るうと玄関の戸が開き、ひんやりとした霧の闇が現れ、その闇夜の中を歩いて行く。
このままダンブルドアの後をついて歩いて良いのだろうか…。
手伝って欲しい事、大事な話。その二つは既に解決した様にも思えるし、ついて来いともここまでで、ともダンブルドアは何も言わない。
「レン、少し痩せた?」
そんな悩みの時間を遮ってくれたのはハリーだった。
どうやら自身もダンブルドアと歩くのは気まずいものがあった様な表情をしている。
「自覚症状はないわね。でもハリーにひとつ報告したい事があったの。」
その言葉にハリーは首を傾げ、レンは守護霊の魔法がやっと形を持った事を言えば、ハリーは嬉しそうにおめでとうと言ってくれる。
「それじゃ、今度1日僕がレンに付き合わなきゃ。」
「本と向き合う1日になりそうじゃのう。」
ダンブルドアはそうツッコミを入れると、ハリーはニヤリと笑ってしまった様だ。
「さて、これからワシは、ハリーを連れてある場所へ行ってから、無事に目的の場所へと送り届けようと思うておる。レン、お主はもう言わずとも判っておるとは思うが、敢えて口にする事を許して欲しい。」
そう言うダンブルドアにレンは大きく頷いて見せる。
「残酷な事じゃった。お主が夜な夜な力を暴走させておる事も、様々な後悔が胸の内に渦巻いておる事も察しはつく。じゃが、しっかりとせねばならん。シリウスは自分を慕ってくれる2人の子供の事をとても愛しておった。前を向かねばならん。」
「…はい。どうしてあの時、自ら本部へ赴きシリウスの姿を確認しなかったんだろうとか、色々な後悔が残ってます。ですが此処で壊れてはならない、それはよく判っています。ただ…色々な事で頭の中が渋滞していて…整理するのに時間がかかってしまっていて。」
ハリーがシリウスの名を聞いた途端あさっての方向を向いては瞬きをし、レンは瞳を潤ませながらも真直ぐとダンブルドアを見つめた。