第5話
ハリーへの誕生日プレゼントとバースディカードを用意すれば、誕生日に合わせて届く様に梟を手配し、93番地へと向かってみるが、賑わう其処にレンは入る気にはなれず引き返したその時、腕をがっしりと掴まれ顔を上げれば、それはリーの姿だった。
「回れ右なんて寂しいんじゃないか?」
「あ。リーだったのね。卒業おめでとう。」
「有難う。…ってそうじゃなくて。」
「…なんかそういう気分にはなれなくて…」
「良いから良いから。ほら、一緒に行くって約束しただろ?」
そう引きずる様にレンと店に入れば、売り子をしていた店主2人はその姿に瞳を輝かせ、ゆっくりと店や店内を見る暇もなく2人を奥へと連れて行く2人。
2人はリーと熱く抱擁を交わした後、「逢いたかった。」と抱きしめるジョージの口をレンは摘んだ。
「いでででっ」
「逢ったら抓ってやるって言ったの思い出したわ。」
それを可笑しそうに笑うフレッドとリー。
「でもまぁ許してやってくれよ。あーやって皆の前で告白する方法しか、残してくレンを狼の牙から守る術が俺達にはなかったのさ。」
「狼なら家に1人いたけど?」
「その狼じゃ無いって。相変わらずだな、レン。」
こういう狼さ、とジョージはレンを相変わらず抱きしめながら、耳を甘噛みしレンの顔を真っ赤にさせれば可笑しそうに笑う。
「そんな変態、ジョージしかいないわ!」
赤い顔のまま離れてリーを盾にし言えば「意識はされてるみたいだぜ?」とフレッドとリーがニヤニヤと言い、レンは思わずフレッドの腕を叩いた。
「あまり揶揄うなら私も噛み付いてやるんだから。私“犬”だもの。」
「いいね。愛しの姫君からの歯型なら何処でも喜んで。」
ニヤリと笑うジョージの指を少し強めに噛んでやれば、ジョージは大袈裟に「いでででっ!」と騒ぎ2人は予想外の行動に腹を抱えて笑った。
「そういや、足大丈夫だったか?」
「足?」
ジョージは指を離して貰えばそう言い、レンはその指にお詫びも兼ねてチュッと口付けてから口を離すと思わず首を傾げた。
「俺が突き飛ばした後ずっと座ってただろ?」
「あぁ…あれ。驚いて腰が抜けたの。あんな事初めてだったもの。自分の処理能力が追いつかなくて…驚いて腰が抜けるって普通よね?」
その言葉に、リーはそりゃまぁ変ではないな。とポンポンレンの頭を撫でてくれ、レンはホッと息を吐く。