「…そうだね、レンにとってドラコは大切な幼馴染の1人だろうし、それを切り捨てるのも容易ではない事は私にも判っているつもりだよ。…これは提案なんだけれど、彼のお父さんや伯母さんの発言は、取り敢えず何処か棚の上にでも置いておかないかい?真相の判らない言葉よりも、私はレンが心と体の調子を整える事の方がとても大切に感じるんだ。…問題や考えなければならない事を後回しにする事はあまり良い事とは言えないかもしれないが、心や体が弱っていては正常な判断を下せない。そんな状態で出した答えは、きっと後で後悔すると思うからね。」
リーマスの言葉にレンは少し考えてから頷けば、リーマスは「話してくれて有難う。」と優しくレンを抱きしめては撫でてくれる。
自分はいつまでこの人の優しさに甘えていられるのだろうか…。
いつか家庭を持つ事は良い。それは彼が幸せになると言う事だから…寂しいがそれは我慢出来よう。
だが、シリウスの様に2度と会えない場所へ逝ってしまったら…そう思うと、リーマスを強く抱きしめてはまた涙を流してしまった。
今、もし彼を失ったら、こんな弱い自分を見せ続けている自分を悔やみ後悔するだろう…それにもし好きな人がいたりしたら、こんな自分を放って恋人のところへ行く、なんて事や此処に想い人を連れてきて一緒に暮らすなんて事はリーマスには出来ないだろう…。
…この人達に心配かけ続けてはいけない…前を向かなければいけないんだ…。
「リーマス…もしリーマスに大切な人が出来たら、私に遠慮とかしないで、その人と幸せになってね?此処で暮らしてくれても構わないし他の場所で暮らしてくれていても…たまに顔を見せてくれたら私はそれで構わないから…幸せに笑っていて欲しいの。」
「どうしたんだい?急に。」
「んーん。なんかリーマスが前に誰かに取られてしまいそうな…そんな感覚がしたの。もし、私の事が気がかりでリーマスの幸せを邪魔してたら嫌だなって、そう思って…」
そういうレンにリーマスは可笑しそうに笑っている。
「そんなにおかしい事言ったかしら…。」
「シリウスはね、子供の時何もしてやれなかった事を悔やんでいた。だが、そんな自分を許す様にレンは自分を慕い甘えては感情をぶつけてくれる。そんなレンをとても愛していた。私もね、そんなシリウスの気持ちが良く判るんだ。」
その言葉にレンは思わずきょとんとすれば、リーマスは優しく微笑み、涙で濡れた目尻を指で拭ってくれる。