「ほら、ハリーはそろそろモリーおば様がご飯を用意してくれてるわ。心配をかけてしまうし、おじ様と一緒に戻って?リーマスも任務があるのでしょう?私は家を元に戻してからまたもう一眠りするから…。」
本当は独りになんてなりたくなかった。
バチンッと大きな音をたて、姿を現したのは双子だった。
「なんてこった。」
「泊まればよかったな…」
2人は家の惨劇にそう呟きこぼしていたが、父親やリーマス、ハリーが居てくれた事に安心したように息を吐く。
「レンの屋敷の話を小耳に挟んでさ。」
「気になって来てみたんだが…」
「無事でよかった。」
「僕が来た時は凄かったよ。庭が火の海で…上空には吸魂鬼がいっぱいいたし…。レン、やっぱり此処に独りでいるのは良くないよ。」
「大丈夫よ。守護霊の魔法も使える様になったし、結界も張り直したから。外に出ても自分の身を守るくらいならなんとでもなるわ。」
「それじゃ俺、今日から此処に泊まる。」
「相棒、良い考えだな。俺もそうするぜ。」
「仕事が忙しくて、彼処を借りたのでしょう?来れるのなら少しはおば様に顔を出してあげなさいな。」
レンはくすくすと笑い、やんわりとそれを断る。
「私がなるべく戻ってくる様にしよう。ダンブルドアにもそう話しておくよ。」
「でも任務は…。」
「私にしか出来ない事は勿論行わなければならないが、団員を守るのも仕事のうちだろう?」
「仕事で一緒にいてくれるなら結構ですー。はいはい、皆さんお帰りください。私は大丈夫だから。」
半ば追い出される様にして帰えされる面々。
初めてこの結界の機能を使い人を追い出してしまったと沈むのと同時にリーマスの言葉にも沈む自分がいた。
リーマスは言葉のあやというか、冗談というかそういった感じのものだとは判っていた。
だが、今はその言葉に傷ついたのも確かだった。
『仕事』ではなく『家族』として側にいて欲しかった。
今までの優しさが、全て偽りで仕事だから仕方なく。そう思えてしまいそうで嫌だった。
バチバチッと暴走させた時の様な音が空中に響けば、レンはハッとし考えるのを止め深く息を吐き、家を焼け焦げた部分を修復すれば、食事をする気にもなれずにそのままソファに腰掛ける。
所詮、私はその程度なのだ。ナルシッサも自分達がレンにした事を棚にあげ、息子を助けて欲しいと懇願する。
あのダンブルドアですら、助けにも逢いにも来てくれない。
その事実がレンを酷く落ち込ませたのと同時に自分勝手な気持ちに嫌気がさして苦笑し、それを早く消してしまいたくてレンはソファに身を埋めていつの間にかソファにあった毛布を頭までかぶれば瞳を閉じた。