第7話
その日の夜、物音に目を覚ませば部屋の中は明るくなっていて、キッチンにはリーマスとその側のテーブルには燻んだ色の髪をしたトンクスの姿があった。
「目が覚めたかい?今日は3人で食事でもと思ってね。」
手伝うわ、とレンが行くも大丈夫だと止められ、レンはトンクスの側に座った。
酷く落ち込んでいる様子がなにも言わなくても判る。
「…トンクス、何があったの…?」
「レン…ごめんなさい。私、貴女に謝らなきゃ。謝って許してもらえないのは判ってるの。」
「ねぇ、なんの事?」
レンは眉を顰めトンクスを見て言えば、トンクスは涙をポロポロと零し始め、レンは困惑しかない。
「シリウスの事…最初にベラトリックスと戦ってたのは私なの。あの時、しっかりと戦っていれば、シリウスは…シリウスは…」
俯き涙を零すトンクスにレンは大きく息を吐くとシリウスの事を考える。
…きっと彼なら、今のトンクスにこうする筈だ…。
そう思えば、トンクスの両頬をパチンっと挟む様に叩き、そのまま上を向かせ自分と視線を合わせると、その行動に目を丸くしたのはトンクスだけではなくリーマスもだった。
「良いか、良く聞くんだ。私は私の誇りの為に戦った。結果あぁなってはしまったが、悔やんでも恨んでもいない。背を向けて逃げるより護りぬいて散った、その方が自慢だし誇りに思う!今は辛かろうがしっかりと前を向け!…なーんて、シリウスに言われた言葉よ。悲しむならその者に悔いない生き方をしろって。…私もまだ辛いけど、でも前を向かなきゃって思う。」
「でも…」
「やり残した事が沢山あったとしても、シリウスは誇るって言ってくれていたわ。だからトンクス、そんなに気に病まないで?今は泣いても良いからその代わり、元気になったらシリウスの分もリーマスやトンクスのお母様やハリーを守ってあげて?これ以上シリウスの好きなものを死喰い人達に奪わせないで。その方がシリウスは喜ぶと思う。」
レンがそう言うとトンクスは両手で顔を覆い隠し「うん…ありがとう…ごめんね」と涙を零した。