「あのトロッコが嫌いだって聞いたよ。」
「えぇ。いつ落ちるか判らないんだもの。」
「きっとアクアさんの所為だな。彼女はもっとスピードを出せと小鬼を脅したとか、他にも色々と銀行内で伝説になってるよ。」
「私のトラウマは母の所為ね…嫌な伝説だわ…。」
それにビルは笑いながら「キミもスピード狂だと思ったよ。」と揶揄い姿を消せば、少ししてから言った量の金貨を下ろして来てくれた。
それにお礼を言うと、小さな巾着に少し取り分け鞄の中に全てをしまった。
「今日はそのまま帰るのかい?」
「えぇ。おば様に『当日、漏れ鍋で待ってる』って伝えて下さる?それまでは家でゆっくりしているわ。」
それにビルは判ったと言えば、レンは再度お礼を言って家へと帰っていった。
土曜の朝、早めに出て漏れ鍋で食事を済ませれば、そこにハグリッドが姿を現し、レンはその姿に目を細めた。
「ハグリッド!」
レンの言葉にハグリッドはレンが居る事に気付けば、その容姿に目を丸くし、近くに座りながらその髪を撫でてくれる。
「お前さん、その髪どうした?」
「気が付いたら色が抜けていたの。」
似合わない?と聞くと、そういう訳じゃねーがと切なそうにレンを見遣ればぎゅっと抱きしめてくれた。
シリウスや家の襲撃、そんな様々事がショックで色が抜けてしまったんだと、ハグリッドも思っていそうな反応だった。
「レン、バックビーク…いや、ウィザウィングズの事、あんがとなぁ。レンが頼んでくれたとダンブルドア先生から聞いたぞ?」
「ハグリッドのいる森で過ごせた方が幸せだろうって思ったの。」
「アイツは凄く喜んでてなあ。おっと、もうそろそろ来るな。レン、お前さんも一緒に行くか?」
レンはこっくりと頷くも「ハグリッド」と呼べばハグリッドがレンを見遣ると、子供の頃の様にハグリッドに向かって両手を伸ばす。
ハグリッドはそれに笑いながらレンを抱きかかえてくれた。