「あれ、燃やしても良い?」
「気持ちは判るが止めておきなさい。」
レンが商品を見ながら言えば、アーサーが小さく笑った。
「マダム・マルキンのお店に最初に行った方が良いわ。ハーマイオニーとレンは新しいドレスローブを買いたいし、ロンは学校用のローブから踝が丸見えですもの。それにハリー、貴方も新しい物がいるわね。」
「本当、背が高くなったものね。少し分けてくれても良いのよ?」
レンが冗談っぽく言うとハリーは思わず笑ってしまう。
「モリー、全員でマダム・マルキンの店に行くのはあまり意味がない。その4人はハグリッドと一緒に行って、我々はみんなの教科書を買ってはどうかね?」
その言葉にモリーは渋り、ハグリッドは俺だけで十分だと言えば、完全に納得した訳ではない様だったが渋々納得はしてくれた様だ。
「それじゃ、レン。買い物リストを貸して頂戴?」
モリーがそう言うと、レンは買い物リストと自分の小さな巾着袋を手渡した。
「お手数おかけします。」
そう言うと二手に分かれて進み始め、マダム・マルキンの店でハグリッドは俺が今はいると店はキツイと思うと外で待つ事になり、4人は店へと入って行く。
中に居た人物に、レンは繋いだままの手をぎゅっと握り、ハリーはレンの顔色が悪くなったのに気付き、ハリーは気遣わしげにレンを見つめた。
「…大丈夫よ。」
ローブかけの向こう側から聞こえたのはドラコの声だ。
「お気付きでしょうが母上、もう子供じゃないんだ。僕はちゃんと1人で買い物できます。」
一緒に来ているのはナルシッサだけの様で、レンは小さく息を吐いた。
「あのね、坊ちゃん。貴方のお母様の仰る通りですよ。もう誰も1人でフラフラ歩いちゃいけないわ。子供かどうかとは関係なく。」
「なら母上、僕はレンと行きます。彼女は1人だ。…それに、ちゃんと話しておかなきゃいけない事が…」
そう言い、ローブかけの後ろから姿を現したのは、青白く顎の尖った顔にプラチナブロンドの10代の青年…予想通りのドラコだった。
深緑の端正な一揃えを着ていて、鏡の前に大股で歩いて行けば自分の姿を確認している。
マダム・マルキンが左腕を整えているとそれを頻りに気にしている様子も見れた。
杖を構えるハリーの手を掴み降ろさせれば、同じく構えているロンにも向かって「お店をめちゃくちゃにするつもり?」と囁きその間にレンは立つ。
「ドラコ、お久し振りね。私に話ってなにかしら。」
「あぁ、キミか。…その髪はどうしたんだ?何があった…?」
「判らないわ。家が襲撃される前には言われなかったから、その後色褪せたのね。」
レンの明るくなったプラチナブロンドの髪を優しく撫で、ドラコはどこか切なそうにレンを見つめた。