第2話
勿論ダンブルドアは魔法使いそのものの服装だったからか、自分が発明した灯消しライターで、辺りの街灯から灯りを奪った為、道は真っ暗だった。
「こうして2人で歩くのは久し振りじゃの。」
「えぇ。私がまだ小さい頃、公園に連れて行ってもらったり、隠れ穴に連れて行ってもらったり…。」
「あぁ…あの時は、レンが急に泣き出しての。アーサーもモリーも慌てておった。あの双子が何かやらかしたのだろうかととばっちりを受けて叱られ、ビルやチャーリーは可笑しそうに笑っておった。」
そんな事があったのか…と、泣いた事は覚えていてもその後の事はすっかり覚えていなかった自分が少しだけ恥ずかしかったが、ジョージとフレッドに申し訳なかったな。…と、少し俯けば、片手だけ手袋をはめたダンブルの手が視界に入り、レンは驚きそのことを口にするも「今はその話をするにあらずじゃ。」とにっこりと微笑み、その話を遮られるのと同時に23時ぴったりにダーズリー一家の玄関に着けば、ダンブルドアはその呼び鈴を押した。
「こんな夜遅くに訪問するとは、一体何やつだ?」
そう叫ぶバーノンの声が聞こえ、レンは思わず苦笑してしまう。
「ハリーの仕業ですね。」
「じゃろうの。わしからの手紙が夢だと思うたのじゃろうて。」
ダンブルドアがそう笑っては小声で囁き終えるのと同時に、その扉が開き、赤紫の部屋着を着たバーノンが姿をあらわす。
「こんばんは。ダーズリーさんとお見受けするが?ワシらがハリーを迎えに来る事はハリーから聞き及びかと存ずるがの?」
レンもダンブルドアの隣からひょこっと顔を覗かせてはこんばんは。と軽く頭を下げた。
だが、バーノンから言葉が出てくる事はなく、魔法使いの格好をしたダンブルドアと、マグルの格好っぽい服装のレン(どこに行っても変にならぬ様、マグルの服装の上からローブを羽織っただけ)が目の前にいるのが信じられなかったのだろう。
「あなたの唖然とした疑惑の表情から察するに、ハリーはワシの来訪を前以て警告しなかったのですな。」
ダンブルドアは機嫌よく言った。
「しかしながら、貴方がワシを暖かくお宅に招じ入れたという事に致しましょうぞ。この危険な時代時、あまり長く玄関口にぐずぐずしているのは懸命ではないからのう。」
ダンブルドアは素早く敷居をまたいで中に入るとレンを中に入れては扉を閉めた。
「前回お訪ねしたのは随分昔じゃった。」
ダンブルドアは曲がった鼻の上からバーノンを見下ろした。
「アガパンサスの花が実に見事ですのう。」
ダンブルドアは何も言わないバーノンに対してそう言うが、レンにも見て見せるように少し体をずらせばレンもその花を見やると、見事に綺麗に咲き誇っており、レンはそれに口元を緩めた。