ダンブルドアは暖炉に1番近い肘掛け椅子に腰を下ろし、無邪気な顔で辺りを観察している。
「レン、心配してたんだ。大丈夫だった?」
「んー…まぁ色々。でも問題ないわ。」
「今日、レンも一緒だって僕、知らなかった。」
「ちょっとしたサプライズじゃ、ハリー。いくつか話し合っておかねばならない事があっての。その事についてもレンが同席してくれとった方が話が早いのじゃよ。…彼女を気分転換に外に連れ出した方が良いかとも思ったのでの。少し話をする時間を、おじさんとおばさんのご厚意に甘えさせて頂き頂戴する事にしよう。」
「させて頂く?そうするんだろうが?」
バーノンがペチュニアを脇にして居間に入ってきては、ダドリーは2人の後をコソコソとついてきた。
「いや、そうさせて頂く。」ダンブルドアはあっさりと言うと素早く杖を取り出した。
相変わらずの素早さに殆ど杖が見えなかったが、軽く一振りするとソファが飛ぶように前進し、ダーズリー一家三人の膝を後ろから掬い、3人は束になってソファに倒れた。
もう一度杖を振るうとソファは忽ち元の位置まで後退した。
ポケットに杖をしまう時、その手袋をハリーも見たようで、口を開くも「後でにした方が良さそう。」とレンが囁くとハリーは口を閉ざし、ダンブルドアはにっこりと微笑みかけては「お掛け。」と一言。
ハリーはレンを手招きしては空いている椅子に2人は座る。
「普通なら茶菓でも出して下さるものじゃが…しかし、これまでの様子から察するに、そのような期待は楽観過ぎて馬鹿馬鹿しいと言えるじゃろう。」
何度目の杖がピクリと動き、空中から埃っぽい瓶とグラスが6個現れた。
便が傾いて、それぞれのグラスに、蜂蜜色の液体をたっぷりと注ぎ入れ、グラスがふわふわと6人の元に飛んでいく。
「マダム・ロスメルタの最高級オーク樽熟成蜂蜜酒じゃ。」
そう言うとダンブルドアはハリーとレンに向かいグラスを挙げ、レンは自分のグラスを捕まえれば「頂きます。」と声をかけてから一口口に含む。
この飲み物は大臣と会食の際に飲んだ事はあった。
あの時は緊張ばかりしては、味の良し悪しは殆ど判らなかったが、今飲むこれはとても美味しかった。