レンはその差し出された手に自分の手を添え、部屋の中央へと一緒に歩いていくと片手の手を合わせ、スネイプと触れ合った。
それを確認したかの様にゆっくりとした曲が流れ、スネイプのリードの元、レンはそれに身を委ねていた。
「先生、足を踏んでも減点しないで下さいね?」
レンが恐る恐る小さな声でそう言えば、スネイプは表情一つ変えずにレンをみてから少しだけ口元を緩めた。
「それについては保障しかねませんな」
「えー」
今日のスネイプはレンをクレスメント家当主として接してくれているのか、言葉遣いがいつもより丁寧だった。
レンはスネイプの反応に不満そうな声を漏らせば、スネイプは一瞬だが柔らかい表情を浮かべ、それをレンはハッと見つめれば直ぐにいつものスネイプに戻っていた。
「我輩が学校外の出来事で減点するような教師だとお思いかね?」
「余程の事があれば、可能性はあるのではないかと思います」
「ならば気をつける事だな」
わざと足を踏んでどうなるか見てみようかと一瞬思ったが、直ぐにその考えも消えた。
多くの人がレン達の踊りを見て何か話していたり、笑みを浮かべていたりしているのだ…
ここで足を踏んで、自分もスネイプにも恥をかかせる訳にはいかないと思ったのだ。
「どうやら悪巧みは諦めたようだな」
この人は人の心を読めるに違いないと、この瞬間にレンは思い少しだけ頬を紅く染めた。
「諦めない方がよろしかったかしら」
「恥を晒したいのならば、お止めはせぬが?」
意地悪なスネイプの言葉に、レンは小さく頬を膨らませると、その様子が伝わったのかスネイプが小さく笑った。