「スネイプ先生はそうやって笑っていた方が良いですよ?そうしたら人気者の先生になれるかも」
「本当にそう思っているのかね?」
いつものスネイプの顔が疑わしげにレンの瞳を真直ぐに見つめ、レンはそれに小さく舌を出すと、スネイプは「はぁ」と小さく息を吐いた。
想像してみれば、いつも笑みを浮かべているスネイプ先生はどこか恐ろしいものがある。
一曲のワルツをゆっくりと踊り終えれば、レンは形式にのっとりお辞儀をかわした。
そこへ拍手と共にルシウスがゆっくりとこちらへ歩いてきたその時だった。
パチンッという少し乾いた音と共に、レンの隣に何かが現れ、レンの体は軽々と抱えられてしまう。
「邪魔してすまないが彼女を貰っていく。キミ達には勿体無いのでね。」
その人物はニヤリとそう言い退けると、パチンッと音と共にレンを連れたまま何処かへ姿をくらませた。
ルシウスやスネイプが攻撃する暇すら与えず、彼らの憎むべき者を睨むようなあの視線が瞳から離れる事がなくレンは苦笑を浮かべ、姿を現した場所は何処かの森の中だった。
「シリウス…お迎えに来てくれたの?」
「あんな闇の陣営の中へ一人出向く君の気が知れないな」
シリウスの声はどこか不機嫌そうだった。
レンを横抱きしたままシリウスはゆっくりと森の中を歩いていく。
この森の空気はどこか他の森よりも澄んでいて心地良い。
「家の近くの森?」
「あぁ」
シリウスは短くそう答えただけだった。
暫く彼は歩き、泉のような場所まで歩いてくればゆっくりとレンを降ろしてくれた。