「伯父さんの事もあるしな…傷はもう大丈夫なのか?」
「えぇ、お蔭様で。完治したわ」
「あの人もレンに対して体罰さえなければ良い人なんだけどな…」
「そう思う?」
「あぁ、勿論じゃないか。レンを傷付けるなんてお門違いさ。」
マルフォイの言葉にレンは曖昧に微笑んでいた。
幼い頃から1人で暮らし、そして伯父からは体罰を日常的に受け続ける。
俺が暮らしてきた生活とは間逆のもので、彼女はどれだけ辛い思いをしてきたんだろう…。
そんな思いをしてきていたのなら、初めて出会った様な笑みを浮かべていても自然な事かもしれないと思った。
その後何をする訳でもなく、マルフォイはレンに話し続け、レンはそれを聞いては小さく笑ったりしていた。
それが幼い頃からの彼女達の日常なのだろう、マルフォイも文句は何一つ言わなかった。
こうなって気付いた事がある。
レンと2人だけの時のマルフォイは俺らに見せている態度と随分違うと。
…憧れの君と話す年相応の少年…言葉で現すならそんな感じだろう。
この"キミは特別!"みたいな空気を出しまくっているマルフォイに気付いている素振りを見せないレンは鈍感なのだろう。
…あぁ、この先マルフォイも俺も苦労するな…などとライバルにどうでもいい同情をしてしまう。
風が少し冷たくなると、レンの言葉で2人は互いに寮へと戻っていく。
レンは戻ってくると此処でも読書をしていたし、時間が来れば大広間に向かい夕食をとり、そしてまた談話室…そこで、ハリー達と何気ない会話に花を咲かせると、寝室へと戻って行った。