第2話
しおりを挟む
次の日の朝は、起される前にレンはこっそりベッドを抜け出し着替え終わると下へと降りていく。
朝は苦手だが、慣れない場所だと自然と早く目が覚めてしまうし、迷惑をかけないようしっかりしなければと思えば自然と起きていた。
「おば様、おじ様、おはようございます。」
レンが起きていけば、モリーは皆の朝食の準備をしていて、父であるアーサーはコーヒーを飲みながら日刊預言者新聞に目を通していた。
アーサーは魔法省の『マグル製品不正使用取締局』という部署で働いている。
この部署はマグルが作った物に魔法をかけ、それがマグルの店や家庭に戻された時の問題を色々と取り締まっている場所らしい。
アーサーもモリーもレンの母とは面識があるらしく、小さい頃時々様子を見に来てくれていたダンブルドアに連れられ何度か隠れ穴に来た事があった。
その時にも同じように暖かい雰囲気に包まれていて思わず泣いてしまった事を薄っすらとだが覚えている。
「やぁ、レン。おはよう」
「おじ様、ご無沙汰しております。」
アーサーが帰ってきた頃にはレンはジニーの部屋に居た為、挨拶ができず改めてそう言うとアーサーは笑みをこぼした。
「レンは朝が早いのね。驚いたわ」
モリーも笑顔をこぼしながらそう言うと、レンも自然と笑顔がこぼれる。
家族や両親というものは、こういう暖かいものなのだろうか…。
「ここはいつも暖かい気持ちになれる場所ですね」
レンがそういうと「ただ狭くて人が多いだけよ」とモリーは頬を赤く染めて言い、アーサーは微笑んでいる。
「2人を見ていると…母と父ってこういうものなのだろうな、って思います。」
「父と母と思って、いつでも来てくれて構わないんですからね?」
「ありがとう、おば様」
「キミもいつか家庭を持つ時が来るだろうし、そういう時の良いお手本にならなくてはいけないね」
とアーサーが言うと「そうですよ」とモリーも同意をしてみせた。
「私にはよく判らない感情です。」
と苦笑して見せると「いつか判る時がくるよ」とアーサーは微笑んでくれた。
8/8
←前へ    次へ→
目次へ