第21話
「シャル!?」
レンは慌てて体を起こすと、少しだけ見覚えのある建物だった。
ゆっくりと体を起こし、周りを見渡せば去年のクリスマス休暇の時お世話になった、ルシウスの屋敷だという事が理解できた。
「目を覚まされましたか」
「姫君…ご気分は?」
そういって姿を現したのはルシウスと魔法省大臣、コーネリウス・ファッジだった。
…ルシウスに自分の親しい友人でクレスメントのご令嬢だと紹介してもらい何度か姿を拝見した事がある。
「大臣…お久し振りでございます。」
レンは上手く微笑んだつもりだったが、不思議にも笑えなかった。
ベッドから降りようとしたが、大臣にそれは制される。
「あー、実に申し上げ難い事なのですが、先日貴女のご家族は何者かの手により殺害され…」
「嘘です。」
先程のは悪夢だったのだ…確かにシャルの声が聞こえたのだ…。
「事実ですよ、ミス・クレスメント。貴女の屋敷で起こった事を考えると、犯人は貴女を殺害しようとしていたのではないかと考えております。貴女が屋敷に帰って来ていると尋ねたが其処には貴女は居なかった…そして、その場に居合わせた…またはやってきたあの方達が殺害され「やめてください!」」
ファッジがそう説明するのをレンはどうしても聞きたくなかった。
1/8
←前へ 次へ→
目次へ