第21話
「姫君…私めはいつでも貴女様のお傍に…。どうか…」
「心配してくださってありがとう、ルシウス。大丈夫よ…」
レンがそう言うと、ルシウスはゆっくりと部屋を出て行った。
当主なんかなりたくなかった…家に帰りたい…シャルに会いたい。
引き受けなかったらアズカバン送りになっていたのだろうか…そうしたら、母が信じ続けたあのシリウス・ブラックに会えるだろうか…。
…これから自分はどうなって行くんだろう…
あの夢であって欲しい出来事は、夢じゃなかったのだろうか…
シャル…私はどうすれば良いの?
独りぼっちになってしまった…。
色々なものがこみ上げてきては、レンからは大きな雫がぽろぽろと零れ、小さな体は震えていた。
レンは暫くすると辺りが暗くなっていた…長い間、こうしていた事に気付くとベッドから降り、置かれていた書類に目を通す。
当主としてのあり方、クレスメント家とは…姿現しとくらましの仕方…など、いろいろな事が書かれていた。
「姿現しの試験もパスって事なのね…いい加減だわ」
レンは自嘲的な笑みを浮かべると、そこに書かれていた姿くらましの仕方を頭に叩き込み、自分の荷物はそれら書類だけだと確認すると、その書類を持ってレンは下へと降りていった。
そこにはルシウスとナルシッサがおり、レンが入ると2人とも悲しそうで心配そうな表情を浮かべレンを見つめた。
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