第22話
「ねぇ、レン。後でお花でも摘みに行こうか。きっとシャルは喜ぶと思うよ」
レンはそれに小さく頷いた。
レンはそのままボーッと半時を過ごし、太陽が真上に来てまた降り始めた頃だった。
訪問者を知らせる合図が、なるとレンは指を鳴らしそれを許可した。
その場に現れたのはドビーだった。
屋敷しもべ妖精や悪意のない動物はいつも許可など得ずとも入って来れたのだが、レンが当主となった今、何故かドビーは許可を得なければ入って来れない様だった…いや、このような状況だ、ちゃんと許可を得て入るべきだとドビーは考えたのかもしれない。
ドビーのその瞳は涙で潤み、時折大粒の雫を零している。
「お嬢様…ドビーめはお友達のお墓を作ってくださったという事を、知りました。…失礼だと思いましたが…ドビーはお友達のお墓に挨拶をしたいのでございます。」
レンはドビーをジッと見るとその手には小さな花が握られており、レンは小さく頷くと、一緒に庭に歩いていく。
小さなお墓の前に来ると、ドビーは花をお墓に供え、大粒の涙を瞳から溢れさせていた。
ドビーとシャルは、クレスメントとマルフォイ家が逢う度に顔を合わせ次第に仲良くなり友達になったのですと、シャルが嬉しそうに言っていたことをレンは思い出した。
レンはそのまま屋敷の中へと入っていく。
そして、まるで最初からそのやり方を知っていたかの様に、自分の魔力を掌に集中させ集めていく。
“クレスメントの血よ…我に従え”
そう頭の中で念じると、集められた魔力は透き通ったビー玉の様に小さな水晶玉へと姿を変えた。
3/7
←前へ 次へ→
目次へ