第26話
「レン、いったい何があったんだ?」
ロンがロックハートに杖を向けたまま声をかけると、レンは軽く頭を振り、ハリーの手を借りその場に立ち上がった。
衣服はベトベトでオマケに湿って体に纏わりつき、乱れた髪もベトベトしている。
「ジニーが、スリザリンの後継者に連れら去れたの。私も途中まで追ったんだけど…その…トラウマの光景を見せられて、気がついたら此処に。」
「レン、秘密の部屋の怪物はレンの言うとおり蛇だったよ。バジリスクだ。マートルがいたトイレの手洗い台が秘密の部屋への入り口だったんだ。」
ハリーはそう言うと「歩けるかい?」と気遣わしげに言うと、レンは小さく頷き、自分の杖にも光を灯すと一緒に歩き始めた。
歩く度にピシャピシャッと湿った足音が大きく響く。
この中は真っ暗で、目と鼻の先しか見えない。
「みんな、いいかい…何かが動く気配を感じたら、直ぐに目を瞑るんだ」
しかしトンネルは、墓場のように静まり返っていて、時折ネズミの死骸を踏み、バリンという音が響き渡るくらいだった。
「今、何時ぐらいなのかしら…」
「僕達が出てきたのはもう夜だった…」
「なら…急がないと危険ね…」
もし後継者が、日記を媒体にジニーを操っているんだとしたら(ほぼ間違いないと思うが)いつ、秘密を知っているジニーを殺すか判らない。
魔法にどっぷりとつかってしまっているジニー自身の体も、命もいつまで持ってくれているか…それが不安で堪らなかった。
“シャル…御願い…力を貸して…もう、誰も死なせたくない…”
レンは心の中で強く強く願った。
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