第27話
しおりを挟む
「ハリー…みて?」
前方に固い壁が見え始め、その壁は、二匹の蛇が絡み合った彫刻が施してあるし、その蛇の目には輝く大粒のエメラルドが埋め込まれていた。
“開け…”
ハリーは扉に近付くとパーセルタングでそう言う。
すると、壁が二つに避け、から見合っていた蛇が分かれると、両側の壁がするすると滑るように見えなくなっていた。
お互いに体を震わせながら繋いだ手を強く握ると、その中へと入っていく。
部屋の中は、細長く奥へと伸びていて、薄く明かりが灯っており、左右に立ち上る柱には蛇が絡み合う彫刻を施したものがあり、暗闇に吸い込まれて見えない天井を支えている。
ゆっくりとその部屋を進んでいくと、左右一対になった蛇の柱が姿を現し、2人がゆっくりと歩いていく足音が、部屋の中に響き渡る。
最後の一対の柱まで来ると部屋の天上に届くほど高くそびえる石像が壁を背に立っているのが見えた。
その石像は、年老いた猿のような顔に細長い顎鬚が、その魔法使いの流れるような石のローブのすその辺りまで伸びている。
その下に灰色の巨大な足が2本、滑らかな床を踏みしめていた…。
「ジニーッ!」
ハリーはレンと繋いでいる手を離すと、その足の間に横たわるジニーに駆け寄り膝を付いて名を呼びジニーの横向きに倒れている体を仰向けにした。
その顔は大理石の方に真っ白で、レンも慌ててジニーに駆け寄ると、ハリーの向かい側に座り、ジニーの手を取った。
石のように冷たかったが、その手は柔らかい。
「クレスメントの血よ…我に従え…」
レンはジニーの片手を両手で包み込むと、そう呟く。
すると、その手が淡く光り始め、レンは一気に力が吸い込まれていく気がした。
3/7
←前へ    次へ→
目次へ