第28話
今のレンが杖無しで唱えられる攻撃呪文で思い当たるのがこれしかなかったが上手くいって良かった…そう思った時だった。
自分の体が、かまいたちの様なものに切り刻まれ、地に倒れこむとその上から重みを感じる。
痛みに眉を顰め何が起こったのか確認してみれば、レンの体はリドルによって取り押さえられ、片腕で取り押さえられながら石像の方へと連れ戻された。
「小娘めっ!」
リドルは怒り狂った顔でレンを睨みつけるが、同時にバジリスクの様子が気になりそちらに視線を戻し、レンも一緒になりそちらを見た。
不死鳥のフォークスが、もう片目を潰し、バジリスクの意識を逸らせるように頭上を飛んでいる。
「ハリー!不死鳥がバジリスクの目を潰してくれたわ!」
レンがそう叫ぶとハリーはバジリスクの方を振り向き見る。
バジリスクは両目からどす黒い血を吹き出しながら辺りをのたれうち回っている。
“違う!鳥に構うな!小童は後ろだ。臭いでわかるだろう!殺せ!”
フラフラとしているバジリスクにリドルは怒鳴るように命ずると、ハリーはそのまま脇道に逃げ込み、バジリスクはそれを追う様に姿を消した。
「離して。ハリーを助けなきゃ」
「それは出来ない。お前はここで、アイツが殺されるのをじっくり見ているんだ。」
レンはリドルのその言葉に、リドルを睨みつけるが、リドルもレンを睨みつけていた。
「どうしてそんなにクレスメントに拘るの?」
「僕のやる事にはクレスメントの力が必要になってくる。それだけさ」
そう言うと、リドルは辺りの様子を見つめていたが、レンの中にはいくつもの疑問が沸き消えていく事がなかった。
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