第28話
「私は貴方の手足になることはないわ。」
「キミの意志なんか必要としない」
「どうやってクレスメントの力を知ったの?」
「僕にとっては知る事は容易い事さ。同級生にも居たからね。純血の魔女で、とても強い力を持った美しい魔女だった…」
「それで貴方はクレスメントの力を欲したのね…」
リドルはその言葉を聞くとニヤリと冷たい笑みを浮かべた。
「良かったわね。貴方の思惑通り事が運んで。貴方がさっき口付けをした人物は、貴方の娘なんだから」
レンはそう言うと、リドルはとても驚いた様子だった。
何がそんなに信じられないのかは判らなかったが、リドルは口を開きレンに何かを聞こうとしたその時だった。
遠くの方から足音が聞こえ、ハリーが姿を現すと、此方の元へと走ってくる。
ジニーの前に膝を付き、足元に転がったボロボロの古帽子…そう組み分け帽子を手に取ると小さく何かを呟いていた。
「放して!」
リドルはレンがどんなに暴れても決して放そうとはしなかった。
捕まえている手に力を込められ痛む程だった。
レンはハリーが心配で今にも泣きそうに瞳を潤ませながらハリーの名を呼んだ。
「大丈夫。助けるから…」
「違うの…逃げて!もう誰も失いたくない!」
レンの瞳からぽろぽろと涙が零れた。
ハリーはそれに力なく微笑んで首を横に振って戦って勝ってみせるという意思をみせると、帽子の中に突っ込んでいた手を引き抜き、脇道から再度姿を現したバジリスクにそれを向けた。
5/6
←前へ 次へ→
目次へ