第28話
ハリーの手には、綺麗な剣が握られていたのだ。
バジリスクはハリーの側まで滑り寄ると、とぐろをくねらせながら鎌首をもたげ、大きく口を開き威嚇し続ける。
その口はハリーを簡単に飲み込んでしまいそうなくらい大きい。
「逃げてッ」
レンがそう叫ぶのと同時にその大きな口はハリー目掛けて振り下ろされた。
レンはハリーが飲み込まれてしまったんだと思いハリーの名を叫んだが、よく目を凝らしてみてみるとバジリスクの頭から一本の銀色に輝く物が突き出ている。
ハリーの持っていた剣がバジリスクの頭を口内から貫いたのだろう…バジリスクはそのままドッと横様に床に倒れヒクヒクと痙攣をし大量の血液が溢れ出ていた。
ハリーはそのまま地に座り込み、その腕にはバジリスクの牙がしっかりと刺さっているのを見て、レンは声にならない悲鳴を上げた。
そう、バジリスクの牙は猛毒…その毒が体内に入れば直ぐに死んでしまうだろう…。
守れなかったのだ…自分は、ハリーを守る事が出来なかった。
そう考えれば、体が震え闇に突き落とされたような感覚だった。
不死鳥が、ハリーの直ぐ隣に舞い降りてくると、ハリーは視点の合わない瞳でそれを見つめ力なく微笑む。
「フォークス、素晴らしかったよ…」
ハリーはバジリスクの牙を腕から抜き取ると、不死鳥はその傷に頭を摺り寄せた。
「ハリー・ポッター…キミは死んだ。クレスメントの娘も、ダンブルドアの鳥もそれが判るらしい。鳥が何をしているか見えるかい?泣いているよ。さぁ、キミにも友に別れを言う時ぐらいあげようじゃないか。」
リドルはやっとレンを取り押さえている手を離しハリーの方へと背を押した。
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