第3話
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「ご来店のお客様にも申し訳ない事をしたわ…ごめんなさい。」
立つと煤が舞うので立たないまま頭を下げれば「そんなとんでもない」とルシウスの声が上から降ってきた。
「お怪我はございませんか?」
「ルシウスだったのね、大丈夫よ。お久し振りだけれどお元気?」
「えぇ。姫君もお元気そうで何よりでございます。」
ルシウスが杖を一振りすれば煤が綺麗に取り除かれ、レンは「有難う」と小さくお礼を言った。
「キミがミスをするなんて、珍しい事もあるもんだな」
ルシウスについて来ていたドラコがレンに手を差し出し立たせるとレンはドラコにも「有難う」とお礼を言う。
「えーっと…その…クレスメントの力を使ってある者を探す訓練をしてみてたのだけれど…間違えたみたい。」
咄嗟の言い訳が出てこずに考えながらいう姿が、レンは自分のミスを見らればつが悪く思われたのだろう誰もそれが嘘だと疑いはしなかった。
「…姫君は、クレスメントの力を使えるように?」
「昔から少しなら使えます。正式に継承した訳ではないので全部は使えませんけど…」
レンがそう言うと、ルシウスは興味がありそうな表情を見せた。
その”力”というのは、呪文を言い使う通常のものではなく、血で使うものなのだと聞いた事がある。
世間一般的に知られている能力は癒しと守りの力。
だが、生まれ持った魔力の強さで使えるものが違う為、クレスメントの血をひいているからといって、必ずしも癒しの力を使える訳でもない。
そして当主となれるだけの力を持ち合わせた者は、当主になった時に全ての一族に隠された力が使える器を持つといわれている。
勿論それだけの魔力や精神力が無いといけなく、継承の儀式の際、当主の器に相応しくないと判断されれば、癒しの力が逆流し、その者の体をそれはもう無残に朽ち果てさせていくという。
…どちらにしてもレンは自分には関係の無い事だと思った。
現在存在しているクレスメント家は伯父夫婦とレンだけだ。
レンは勿論当主ではない、という事は伯父が当主をしているのだろうし、その後は勿論伯父の子供達が引き継いでいくだろう。
制約はあるが今の家をレンに宛がってくれ、今あるこの力が使えるだけでレンは十分だったからだ。
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