第29話
「さ、レン。足元気をつけて」
「ありがとう…」
レンはハリーの手を取り隙間を通り抜けると、1人足りない事に気が付き首を傾げる。
「あぁ、アイツならあっちにいるよ。調子が悪くてね。来てみてごらん?」
そう言うとロンはジニーの手を握ったまま、当初来た道を戻り始め、ハリーはそのままレンと手を繋ぎロンの後を着いて歩いていく。
レンが倒れてた場所まで辿り着くと、そこにはロックハートが地に座り鼻歌を歌いながらロンの顔を見て微笑んだ。
「記憶を無くしてる。「忘却術」が逆噴射して自分にかかっちゃったんだ。今は自分や僕達が誰なのかすらちんぷんかんぷんさ。1人でほっとくのも怪我とかして危ないから、ここで待ってる様に言ったんだ」
レンはロックハートの変わり果てた姿に目を丸くした。
あの作り笑いは消え、人の良さそうな笑顔をしている。
「あの…何処か痛いところとかありませんか?」
レンがそう声をかければ「問題ないよ。此処はキミの家かい?変わってるね」と明るく答えてくれていた。
「さて、どうやって帰ろうか…考えはある?」
ハリーはロックハートの背後に上るパイプを眺めながらそう漏らすと、ロンは首を横に振り、不死鳥は私を忘れてもらっては困ると言いたそうにハリーの前へと飛び出てきては尾羽を揺らし輝く瞳でハリーを見つめている。
「ハリー、この子、自分に掴まって欲しい見たいよ?」
「レン、キミ何処か頭でも打った?」
ロンが口をあんぐり開けながら驚き、そう漏らすとハリーはハッとした表情を浮かべ見る見るうちに表情が明るくなっていく。
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