第29話
「そうだ!フォークスは普通の鳥じゃない!皆手を繋いで。さぁ早く!」
レンとハリーは手を繋いだままだったので、そのままレンは手を差し出す。
するとその手をロンが握り、ジニーは仕方なさそうにロックハートの手を掴んだ。
それを確認するとハリーは片手に握っていた剣や帽子や日記をベルトの所に挟みその手でフォークスの尾羽を掴む。
すると一気に皆上空へと体が浮き、気がついた時には空を飛んでいた。
自分の手にかかる人の体重は全然感じなかった。
まるで自分の体も、他の人の体も、羽のように軽くなった気分だった。
もう少しこの快適な空の旅を味わっていたかったが、それも直ぐに終わり、皆はあっという間にマートルのいるトイレへと姿を現す。
マートルはハリーの姿を見ると、とても残念そうに口を開いた。
「生きてるの…」
「そんなにガッカリしなくても良いじゃないか」
ハリーは真顔で不快そうに言うと、何故かレンと繋いだ手は放さずに不死鳥から手を放し、ロンもロックハートもジニーも手を放した。が、同じようにロンとジニーは手を放す事はなかった。
「私、ちょうど考えていたの…ハリーが死んだら、私のトイレに住んでもらったら嬉しいな…って。」
マートルはそんな事はお構いなしで、頬を銀色にポッと染めると、レンはなんだか胸がモヤモヤッとしてトイレから出ようと歩き出た。
ハリーもそれに抵抗はせず、皆それに続いてトイレを後にすると、フォークスはすぃーっと先頭に踊り出て、廊下を進んでいく。
「着いて来いって言ってるみたい」
レンはハリーにそう言うと、小さく頷きフォークスの後を急ぎ足で着いて歩く。
「キミ、鳥の声も解るの?」
「単なる勘よ。表情とか行動を見てたら…何となくね」
レンはそう答えるとロンは感心した様に声を漏らす。
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