第30話
「見事じゃ。確かに彼はホグワーツ始まって以来、最高の秀才だったと言えるじゃろう」
ダンブルドアは静かにそう言うと、ウィーズリー一家を見た。彼らはさっぱり判らないといった表情をしている。
「ヴォルデモート卿がかつて、トム・リドルと呼ばれていた事を知るものは少なかろう。ワシは50年前、彼に教えておったが卒業後姿を消した。あちこちへ旅をし、好まれざる者たちとの交流を自ら進んで行い、幾度となく変身を遂げ、再び姿を現した時は、あの聡明でハンサムでかつては此処の主席だったトム・リドルの面影は何一つ残ってなかったのじゃ」
「でも…ジニーが…うちのジニーがその人と何の関係が?」
モリーはそう聞くと、人―はしゃくりあげながら、声を上げた。
「その人の日記なの!…私その日記に…書いていたの。そしたら…その人が、あたしに今学期中、ずっと返事をくれたの」
その言葉にアーサーは仰天して叫び声を上げた。
「パパはお前に何にも教えてなかったというのかい?パパがいつも言ってただろう?脳みそがどこにあるか見えないのに1人で考える事が出来るものを信用してはいけないって…教えただろう?どうして日記をパパかママに見せなかったの?そんな妖しげな物は闇の魔術が詰まっている事ははっきりしてるのに!」
「あたし、し、知らなかった…ママが用意してくれた本の中にあったの…」
「おじ様、おば様…どうかジニーを責めないであげてください。ジニーは1人で脅えて苦しんできたんです。誰にも話せない恐怖と戦い続ける事がどんなに辛い事か…。」
レンがそう言うと、モリーは瞳いっぱいに涙を浮かべもう一度ジニーをきつく抱き締めた。
「ワシも同感じゃ。大人の魔法使いでさえヴォルデモートに誑かされていた事も少なくない事実、それをこの子は乗り越えたのじゃ。とても過酷な試練じゃったろう。よって処罰はなし。ミス・ウィーズリーはすぐに医務室へ行きなさい。安静にして…それに、熱い湯気の出るようなココアをマグカップ一杯飲むが良い。ワシはいつもそれで元気が出る」
ダンブルドアはキラキラと瞳を輝か優しくジニーを見つめていた。
「マダム・ポンフリーはまだ起きておる。マンドレイクのジュースを皆に飲ませたところでな…きっとバジリスクの犠牲者たちが、今にも目を覚ますじゃろう。」
「じゃ、ハーマイオニーは大丈夫なんだ!」
ロンは嬉しそうに声を上げると、「回復不能な障害は何もなかった」とダンブルドアは答えた。
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