第3話
「魔法省が貴方様にご迷惑をお掛けする事は考えられませんが…。それに貴方様は今一番クレスメントに近い位置にいらっしゃる…」
そう店主の言葉にレンは自分が呼ばれた気がして振り返るが、ドラコが手を引いたのでそっちの方へ歩いていきながら、聞き耳を立ててしまう。
「まだ抜き打ち調査はない。マルフォイ家はそれなりの尊敬を勝ち得ているが、役所どころは小煩くなっている。マグル保護法の制定の噂もある。あの虱ったかりの、マグル贔屓のアーサー・ウィーズリーの馬鹿者が、糸を引いているに違いない」
あーこの二人も仲が良くなかったなぁ…とレンは思いながら、ドラコの興味を引かれる方に引っ張られ着いて歩く。
「あれを買ってくれる?」
その後、ルシウスと店主が商談の話しに入ろうとした時にドラコは話に割って入り、クッションの上に置かれた萎びた手を指差してルシウスにそう言った。
「輝きの手が欲しいの?」
レンはそう呟けば、ドラコは小さく頷く。
店主はルシウスとの話をなげ、ドラコの元に駆け寄る。
「流石はミス・クレスメント様でございます。商品をよくご存知で…。若様、この商品は蝋燭を差し込んでいただきますと手に持っている者だけにしか見えない明かりが灯ります。泥棒、強盗には最高の味方でございまして…お坊ちゃまはお目が高くていらっしゃる!」
「ボージン、私の息子は泥棒、強盗よりはマシなものになって欲しいが。」
ルシウスはレンと話す時とはがらりと違い冷たく言い放つ。
「とんでもない!そんなつもりでは…」と店主が慌てて言った。
「ただし、この息子の成績が上がらないようなら…行き着く先は、精々そんなところかもしれん」
あぁ、ドラコの成績は悪かったのかと、更に冷たいルシウスの声でレンは判断した。
「僕の責任じゃない。先生が皆、贔屓するんだ。あのハーマイオニー・グレンジャーが…」
「私は寧ろ、魔法の家系でも何でもない小娘に、全科目の試験で負けているお前が、恥じ入って然るべきだと思うが」
ドラコの顔が恥と怒りの混じった表情を浮かべて、黙ってしまう。
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