第1話
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「事情…?…でも私の父が誰だか知っているんですよね?」
「勿論。以前にも話したと思うが、私はそれを知っているよ。何があっても君は君だ。違うかい?」
レンはその言葉にちゃんと答える事が出来ずに俯いてしまうが、リーマスは優しく髪を撫で続けてくれる。
リーマスのその言葉が嬉しくて、遠慮がちにだが彼に抱きつけば優しい笑みを向けてくれた。
この人が自分の友人の子供に、こうして愛情を注いでくれるのがレンはとても嬉しかった。
「初めてお手紙を貰った時驚いたの。でも私の周りには死喰い人だらけだったから、この人を信じて良いのか判らなかった。けれど気付いたの…母の同級生って事は大人の人なのに、お手紙はいつも難しい言葉は一つもなかった。私が理解出来るであろう言葉を選んでいつもお手紙を書いてくれた。”私”を見てくれてるって思えたら嬉しくなって…気が付いたらお返事を書いていて…手紙を持ってくる梟が楽しみになってた。けれど…その反面、自己嫌悪みたいな気持ちに襲われたりもしたわ。」
レンはそう言いチラリとリーマスを見るが、彼は手を止めずに優しく微笑んだまま話を聞いてくれていた。
「私の父になってしまった人が沢山の人から幸せを奪って今もまだ苦しい思いをしてるのに、その娘の私が幸せになっても良いんだろうかって。…伯父はいつも、そういう風に私が感じる事を禁じていたし…そうしつけられてもいたから…。」
「その事はダンブルドアには話したのかい?」
「えぇ。…もう君は既に辛い道を選んでおる。そんなに負い目を感じる必要はないのじゃよ…って」
「その通りだよ、レン。君は父親に従う道を選ぶのではなくて、お母さんと同じく戦う道を選んだ…それだけでも十分なんじゃないかな?」
「…よく判らない。」
レンが小さな声でそう言うと、リーマスは優しく抱き締めながら話を続ける。
「どんな事があってもレンが何者であろうと、レンには皆と同様に幸せになる権利がある。それを誰かがとやかくを言う権利はないのだよ……これは君のお母さんからの受け売りなんだけどね」
「母の?」
「そう。私はね、皆に見放された時があったんだ。その時にそう言ってくれた。今でもね、君のお母さんから貰った言葉を思い出すと心が温かくなる。私にとってはとても優しくて元気で温かい、太陽の様な人だった」
レンはそれを聞くと嬉しそうに微笑んでみせた。
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