第6話
レンはリーマスが見えなくなると、コンパートメントに戻り席に着く。
まだ外は、空いている又は友達の居るコンパートメントを探している人達で賑わっている。
その様子を軽く聞き流しながらトランクの中から一冊の本を取り出し中を開いた。
「泣き妖怪バンシーとのナウな休日…ねぇ…」
先日会ったロックハート氏の著書である。
闇の魔術に対する防衛術で教師が決まったから指定された教科書の殆どがこの本で、尚且つ少し値が張る。
レンは本をパラパラっと捲り、眉間に軽くシワを寄せると、本を元に戻し違う本を取り出した。
「これを読んでいた方がマシだわ…失礼だけど」
そう言いながら、呪文集のニ学年用を取り出し読み始めると勢いよく扉が開くが、レンは然程気にした様子も見せず本から視線を上げなかった。
「ここにも居ないわ…ジニー本当なの?」
「うん、私達と一緒に来ていた筈なんだけど…」
「なら…考えたくもないけど、もしかして…って、ちょっと!レン!聞いているの?!」
コンパートメントに入ってきたのはハーマイオニーとジニーだった。
ハーマイオニーは不快そうな顔をしてレンに言ったがレンは肩を竦めた。
「どうしたの?」
「ハリーとロンが、列車に乗ってないみたいなの」
ジニーは瞳に涙を浮かべながらレンにそう言うと、半分呆れた様に溜息を吐いた。
「一緒に来たのよね?」
「うん、私達が先にプラットフォームに入って列車に乗り込んだの。後から来ていると思っていたの…」
何があったのだろうと内心思いながらも読んでいた本を閉じ、トランクの中から羊皮紙と羽ペン、インクを取り出し、文字を書綴る。
「全部のコンパートメントは見たのよね?」
「えぇ、ちゃんと見たわ。私がコンパートメントを見て、ジニーに通路を見てもらったし、すれ違う事はないと思うの」
ハーマイオニーはレンのその行動を見ながら、そう説明すると、レンはそれじゃ乗り遅れたのね。と小さく漏らす。
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