第6話
レンは背伸びをするとドラコの耳元で気になっていた言葉を問いかける。
そう、ドビーの事だ。
「ドラコは最近ドビーに何か言いつけた?」
「いや、何も。父さんも何も言いつけてないと思ったけど…どうしたんだい?」
「それじゃ、最近ドビーに変わった様子はなかった?」
レンがそう聞くとドラコはうーんと少し考えてみせたが「思い当たる事がない」と漏らすと「いったいどうしたんだ?」と不思議そうにしていた。
「ううん、なんでもないの。少し気になっただけなの。」そういい頬に軽く口付けをすると、レンはまた席に戻ろうとすると、突然大広間いっぱいに吼える声が響き渡りレンは慌てて耳を塞いだ。
この声はモリーだ。
「車を盗み出すなんて、退校処分になっても当たり前です!首を洗って待ってらっしゃい!車が無くなっているのを見て、私とお父さんがどんな思いだったか、お前はちょっとでも考えたんですか!…昨夜ダンブルドアからの手紙が来てお父さんは恥ずかしさのあまり死んでしまうのではと心配しました。こんな事をする子に育てた覚えはありません。お前もハリーもまかり間違えば死ぬところだった。全く愛想が尽きました。お父さんは役所で尋問を受けたのですよ。みなお前の所為です。今度ちょっとでも規則を破ってごらん。私達がお前をすぐ家に引っ張って帰ります!」
怒りと心配そうな声色はそれだけを言い切ると、ロンの辺りから炎が燃え上がって目の前に灰が落ちた。
この感じはきっと吼えメールがロンの元に届いたんだろうとレンは思うと、耳を塞いでいた手を元に戻し自分の席に着けば、ハリーとロンは2人とも呆然としていて顔色が真っ青だった。
「貴方が、なにを予想していたかは知りませんけど…ロン、貴方は…」
「当然の報いを受けたって言いたいんだろう」
ロンはそうハーマイオニーに噛み付いた。
ハリーは落ち込んでいる様子で食べかけのオートミールを押し退けていた。
「ハリー…大丈夫?」
レンがそう声を掛けても曖昧に微笑んだだけだった。
ハリーの事だ、自分の行いで夏の間お世話になった人が尋問を受けたと知り、申し訳ない気持ちでいっぱいなのだろうとレンは思うと、気にするななどと下手に慰めても逆撫でしてしまうしと、そのままそっとしておく事にした。
暫くするとマクゴナガル先生が、今学期分の時間割を各自に配っていた。
レン達はそれを受け取ると一時間目の薬草学の授業に間に合うように足を向ける。その授業はハッフルパフと合同授業だ。
4人が授業の行われる温室に着いた時は、殆どの生徒が着いていた。
そこを大量の包帯を抱えたギルデロイ・ロックハートとスプラウト先生が歩いてくる。
「やぁ、皆さん。スプラウト先生に暴れ柳の正しい治療法をお見せしていましてね。でも私の方が先生より薬草学の知識があると誤解されては困りますよ」
生徒皆に零れるような笑顔を見せながらそうロックハート氏は言っていたが、スプラウト先生は不機嫌そうに「みんな、今日は三号温室へ!」とさっさと進ませた。
いつも快活な先生がこんなに不機嫌そうにするのだ、ロックハート氏は余程の事をしたのだろうとレンは客観的に思いながらも、人の流れについて歩いていく。
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