第9話
「マルフォイがハーマイオニーの事を何とかって呼んだんだ。もの凄く酷い悪口なんだと思う。だって皆カンカンだった」
「本当に酷い悪口さ」
テーブルの下からロンの汗だらけの青い顔がひょっこりと現れそう言うとまたナメクジを吐いている。
「ドラコがね、ハーマイオニーの事を穢れた血って言ったの」
レンが悲しそうな声でそう言うと、ハグリッドは大憤慨していた。
「本当にそう言ったのか?!」
「言ったわよ。でも私にはどういう意味だか知らないわ。もの凄く失礼な言葉だという事は判ったけど」
「アイツの思いつく限り最悪の侮辱の言葉さ」
ハーマイオニーの言葉に、ロンはまたそう顔を出して絶句する。
「穢れた血ってね、マグル生まれの魔法使いを罵る下品な言葉よ。魔法使いの中には純血主義といって、純血だから偉いって思う人達がいるの。」
レンは俯き両手で顔を隠して肩を震わせた。
それをハグリッドは優しく髪を撫でると、ロンが言葉を続ける。
「勿論、そういう連中以外はそんな事まったく関係ないって知ってるよ。ネビルを見てごらんよ。アイツは純血だけど鍋を逆さまに火にかけたりしかねないぜ」
「それに、俺達のハーマイオニーが使えねぇ呪文は、今までにひとっつも無かったぞ」
ハグリッドはハーマイオニーを誇らしげに見つめそう言うと、ハーマイオニーは嬉しそうに頬を赤く染めた。
「他人の事をそういう風に罵るなんて、むかつくよ」
汗がびっしょりの額を震える手で拭いながら話を続ける。
「穢れた血だなんて、まったく。卑しい血だなんて。狂ってるよ。どうせ今時魔法使いは殆ど混血なんだぜ?もしマグルと結婚してなかったら僕達とっくに絶滅しちゃってたよ。あ、でもクレスメントは違うか」
レンはロンにそう言われ、手で瞳を擦ると顔を上げて「うん」と呟いた。
「クレスメントに産まれると、その特別な力を保つ為に親戚や家系にマグルが一人も入っていない魔法族と許婚を作ってホグワーツに通う前くらいの年齢の時にはもう決められているらしいわ。殆どが遠い親戚とかだったと思うけど、それで代々血の力を守ってきていて…母はそれを拒んだけど、伯父は違うわね。」
「あの伯父さんならそうじゃろて…で?レンは、何をしてたんだ?ハリー達と一緒に居たなら何で一緒に来なんだ?」
ハグリッドがそう聞くと、ハリーもハーマイオニーも、そしてロンも顔を上げてレンを見たのでレンは息を小さく吐くと言葉を続けた。
「一人ずつ平手して、文句を言ってきたわ。」
レンがそう言うと、ハグリッドは良くやった!と嬉しそうにしていたし、皆も満足そうだった。
「ねぇ、レン。もしかしてキミの許婚ってマルフォイなの?」
ハリーは遠慮しがちにレンに訊ねれば、レンは「まさか!」と驚いた声を出した。
「あの伯父様が私の為に許婚を探してくるなんてする筈がないわ。」
レンがそう言えば、ハリーは何処か安心したように息を吐いた。
「…でも、ロン。貴方は呪いが逆噴射してある意味助かったと思うの」
ハグリッドは頷いて見せたが、他の人達は納得がいかないようにレンを見た。
「ルシウス…ドラコのお父様が黙っていないわ。ダイアゴン横丁でアーサーと揉め事を起した後よ?そんな事があったって知られたら、貴方もアーサーも、ルシウスが好機と言わんばかりに何か仕掛けていた筈だわ。」
レンがそう言うと、ハーマイオニーは確かにと納得して見せたが、ハリーは何かを言いたそうにしたが口が開かなくなってた様だった。
その後は、ハグリッドに促されるまま、ハグリッドが育てた大きなカボチャとかを見せてもらい半日を過ごした。
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