第10話
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「見てまわろうか」
「誰かの体を通り抜けないように気をつけろよ」
4人はダンス・フロアの端の方を回り込むように歩いた。
陰気な修道女の一団や、ボロ服に鎖を巻きつけられた男性もいたし、ハッフルパフに住まう陽気なゴーストの「太った修道士」は額に矢を突き刺した騎士と話をしていた。
スリザリンに住まう「血みどろ男爵」にだけは、他のゴースト達も遠巻きにしていたが…。
「嫌だわ…戻って、戻ってよ。『嘆きのマートル』とは話をしたくないの」
急にハーマイオニーがそう言いレンはそちらに視線を向ければ、ずんぐりした女の子のゴーストがその場に居た。
学生の制服のような物を身に纏い、垂れた猫っ毛と乳白色の眼鏡をし陰気くさい顔をしている。
「誰だって?」
とハリーは急いで後戻りしながらハーマイオニーに聞いた。
「あの子三階の女子トイレに取り憑いてるの」
「トイレに取り憑いてるって?」
「そうなの。去年一年間トイレは壊れっぱなしだったわ。だってあの子が癇癪を起して水浸しにするんですもの。」
「私、壊れてなくてもあの子が泣いたり喚いたりしてるトイレに行くつもりはないけど」とハーマイオニーは言った。
「見て、食べ物だ」
とロンは、反対側に長テーブルがありそちらの方へと歩いていく。
「あまり行かない方が良いと思うけど…」
とレンは言いながら3人の後をついていく。
そう、ゴーストは元々物を食べる事が出来ない。
噂でだが、その食べ物の味を香りを吸い込む事で感じ取る事が出来ると聞いた事があり、それをより強く感じる為に、腐らせた物を好むという話しも何かの書物で読んだ事があった。
近付いて見ると、3人は気持ちが悪そうにしていた。
それもその筈で、吐き気のするような臭いが辺りに漂い、食べ物という食べ物が、コレでもかという程に腐っていた。
それから皆はその場を離れて適当に歩いていたが、辺りのゴーストとは違い派手なピーブスが現れ、ハーマイオニーを巻き込んでマートルを苛めたり、暫くしてからニックが「楽しんでますかな?」と様子を窺いに来てくれたり、十二騎の馬のゴーストが飛び出してきたりと、色々と賑やかなパーティだったが、皆、寒さと空腹に耐え切れずその場をこっそりと抜け出した。
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