第10話
しおりを挟む
「ハリー、いったい何を…」
「シーッ!」
“血の臭いがする…血の臭いがするぞ…”
「誰かを殺すつもりだ!」
ハリーはそう言うと三階への階段を駆け上って入っていた。
レンはそれにハッと気付くと慌てて後を追いかける。
「殺すつもりか…血の香りに導かれているか…」
2人は、ロンとハーマイオニーを後方に残したまま全速力でそちらの方へと向かった。
誰も居ない廊下に出た時には、二人の動きは止まり壁に釘付けだった。

“秘密の部屋は開かれたり…継承者の敵よ、気をつけよ”

秘密の部屋…ホグワーツの歴史で読んだ事がある。
ホグワーツの創立者、サラザール・スリザリンが他の創立者の3人と意見が分かれとうとう城を離れる事になった時、ホグワーツの何処かに彼でしか開く事の出来ない部屋を作ったという。
其処には怖ろしい魔物が住み着いているという話だ…。
その“秘密の部屋”なのだろうか…?
壁に書かれた文字は真っ赤な色で書かれており血の色にも見えるそれに触れると、指に付いたそれは血液とはまた別のものに見える。
そして不自然な程に水浸しの床…レンは其処にも視線を向ければ、ふと近くに黒い影が視界に入りに眼を凝らす。
ミセス・ノリスだった…目を見開いたままの猫、ミセス・ノリスは松明の腕木に尻尾を絡ませてぶら下がっていた。
レンはそれに手を伸ばすと、後から追いかけて来て同じように壁や猫を見ていたロンがその手を取りそれを制した。
「ここを離れよう…僕の言う通りにして…此処に居る所を見られない方が良い」
だが、それも遅かったようで、パーティを終えた生徒達の賑やかな声と足音が近付いてくる。
次の瞬間生徒達が廊下にワッと姿を現した。
前方に居た生徒達がぶら下がったままの猫を見た途端、言葉と音を失ったかのように静かになった。
4人を見て恐れているかのように、4人を取り囲み静けさが包み込む。
「継承者の敵よ、気を付けよ!次はお前達の番だぞ”穢れた血”め!」
そう声がし、レンはそちらを見ればドラコだった。
ドラコは興奮しているのか頬に赤みをさしながらニヤッっと笑いそう言うと、レンの姿を見て誇らしげに微笑んだ。
きっと、あれをやったのはレンだと彼は思っているのかもしれないとレンは思った。
それからドラコの声に引き連れられたのだろう、フィルチが姿を現すと、自分の愛猫の姿に取り乱し、あれをやったのはハリーだとハリーに食って掛かっていた所をダンブルドアが他の先生を引き連れ現場に到着しそれを止めさせた。
「アーガス、一緒にきなさい。ポッター君、ウィーズリー君、グレンジャーさん、クレスメントさん。君達もおいで」
ダンブルドアはそう呼びかけ、腕木からミセス・ノリスを外して歩き出す。
それにロックハートは慌てて飛び出し、自分の部屋が一番近いのでお使いくださいと申し出た。
5/5
←前へ    次へ→
目次へ