第13話
しおりを挟む
ハリーは一番後ろの席にいた3人の元に戻ってくると「準備は?」と声を掛けた。
「皆が居なくなるまで待つのよ…」
ハーマイオニーはピリピリしている様だった。
少しすると教室から生徒の姿が消え、ハーマイオニーは一枚の紙を握りロックハートのデスクへと向かう。
ロンやハリー、そしてレンもその後をついて歩く。
「あの、先生…私…その…図書館からこの本を借りたいんです」
ハーマイオニーはロックハートに一枚の紙を手渡す。
その手は震えていて、ロックハートはその紙を見ると、その瞳はハーマイオニーの姿を捉えた。
「問題は、その本が「禁書」の棚にある事なんです。誰か先生のサインがないと読む事が出来なくて…私、先生の「グールオバケとのクールな散策」に出てきた、ゆっくり効く毒薬についての理解を深めたいんです」
「あぁ、あれね!私の一番のお気に入りといえる本かもしれない。」
ロックハートはハーマイオニーから紙を受け取ると、その紙に書かれているものに目を通さず、ハーマイオニーに笑顔を向けた。
「少しくらい、学年の最優秀生を応援しても誰も文句は言わないでしょう…ですが…」
レンの姿をその瞳が捉えるとロックハートは言葉をやめ見つめている。
「ミス・クレスメントも一緒に?」
「えぇ、一緒に学ばせていただこうと思っていたのですけれど…先生がお気に召さないのなら私は辞退させていただきますわ」
レンは闇の魔法使い達と接する時と同じ態度をロックハートに向けた。
本当の自分なんか出す必要がないからだ。
「いえ、そういう訳ではないのです。ただ…貴方は私の授業がお気に召さない様子でしたので…偉大で…高貴なるクレスメントのご機嫌を損ねてしまったらと、私の名も廃ると考えていたのです」
「そうだったのですね…ごめんなさい。…その…ただ、私もそのような体験をご一緒できたら、と思っていたんです。」
レンはちっともそんな事を思っていなかったが、咄嗟に考え付いた言葉がそれしかなかった。
「なんと!ミス・クレスメントがそこまで私の事を思ってくださっていたとは!」
ロックハートは少し頬を赤く染め興奮した様子で、その紙にサインをするとハーマイオニーに手渡した。
4/6
←前へ    次へ→
目次へ