「大丈夫よ。少し考え事。」
「シリウス・ブラックの事か?」
「えぇ…大丈夫。もうシリウスは此処には居ないわ。」
レンのその言葉に近くにいた生徒が「どうしてそう言いきれるんだ?」と言葉を漏らす。
「私がシリウスなら、目的遂行を失敗に終えたこの場所に長居はしないわ。先生方が集結している上にダンブルドアまで居るのよ?捕まるのが目に見えているもの。」
そう言えば「確かに」と納得し、辺りはその事でヒソヒソと話を続けている人が多かった。
どうかシリウスが捕まりませんように…。
レンはそう強く願うと、その日はそのまま静かに眠りに就いた。
それから数日、シリウスの話でもちきりだった。
どうやって城に入り込んだのか…話に尾ひれがついてドンドン大きくなっていた。
ハッフルパフのハンナ・アボットは「ブラックは花の咲く潅木に変身できるのよ。」と話していた。
だが、シリウスが城内に侵入するのは容易い事なのだ…
あの暴れ柳の下…あの穴を通ってくれば吸魂鬼にも見つからずに此処まで来られる。
だが、本当にどうやってそこまで来たのだろうか…。
シリウスに彼の目的やどうやって此処まで来たのか全てを聞いてしまいたいが、信用されていない自分には到底話してもらえない気がする。
だが、気になる事がもうひとつある。
あまり人に懐かないクルックシャンクスが、あんなにもシリウスに懐いており、そのクルックシャンクスが何故かスキャバーズに拘りをみせる。
猫だから鼠を追うのはあたり前なのかもしれないが…レンは何故か気になっていたのだった。