「それは?」
ジョージは気を利かせてくれたのだろう、そうレンに聞けば、水の滴るマントを少しだけ開き中の木片を見せる。
「箒…フリットウィック先生が、これじゃ直せないって…」
それをハーマイオニーは受け取り中身を確認すれば、また大粒の涙を零しながらそれを足元に置き、俯いたまま泣き続ける。
「ハリー…吸魂鬼に襲われて20m位の高さから落ちたんだ…ダンブルドアが助けてくれたけど、マダム・ポンフリーは絶対安静だって。」
ロンがそう説明してくれて、レンは小さく「そう」と返し、ハリーを見つめる。
高い場所で1人吸魂鬼に襲われて…青褪めて横たわるハリーの姿。
レンは見ていられなくなり、ハリーの方に背を向ける。
それをジョージは優しく頭を撫でてくれ、レンはジョージの肩に顔を埋めた。
目頭が熱く涙が溢れてくるのが良く判る…。
泣いてはいけない…そう思うのだが、あのバジリスクの牙にやられた時のハリーの姿も重なり、涙を止める事は出来なかった。
「だけど、地面が柔らかくてラッキーだった。」
「絶対死んだと思ったわ。」
「それなのに眼鏡さえ割れなかったけどな。」
「こんなに怖い物これまでに見た事無いよ…」
ロンがレンの様子を気にしながらもそう言えば、ハリーの意識が戻ったのだろう…
その場に居た人達からハリーの名を呼ぶのが聞こえるが、レンはそちらを向く事も話す事も出来なかった。
ただ、ジョージはそれを判っている様で、片手を腰に回して何も気にしていないような様子でハリーの意識が戻った事に喜びの声をあげていた。