ハリーはその説明を聞いているのかすら判らないような様子で、ベッドの一点を見つめたまま動こうとはしなかった。
何かを真剣に考えているのだろう…。
だが、ロンとハーマイオニーはそうとは思わなかった様で、どこか痛い所があるのか心配そうにハリーを見つめる。
ハリーはそれに気付くと慌てて口を開いた。
「誰か僕のニンバス捕まえてくれた?」
ロンとハーマイオニーはチラッと顔を見合わせる。
「あの…」
「どうしたの?」
ハリーは意味が判らなそうに皆の顔を見つめている。
あのニンバスが壊れてしまった事を知ったらハリーはどう思うだろう…レンは胸が痛んだ。
「あの…貴方が落ちた時、ニンバスは吹き飛んだの。」
ハーマイオニーが言い難いそうに言ったが、ハリーの「それで?」という質問に、その続きがなかなか出てこない様子だった。
「暴れ柳にぶつかったわ…。」
レンは少し掠れた声でそう言えばハリーの表情は更に青くなった様だった。
「それで…?」
「ほら、やっぱり暴れ柳の事だから…あれって、ぶつかられるのが嫌いだろ?」
「レンが…集めて来てくれたわ。」
ハリーの問いにロンが答えると、ハーマイオニーは先程のマントを広げて中身の木片を見せた。
ハリーはその中身をマントごと受け取れば、とても悲しそうにそれを見つめている。
なんて声をかけたら良いか判らない…。
3人はそうかける言葉も見つからずにその様子を見つめていれば、マダム・ポンフリーにそろそろ寮に帰りなさいと、病棟を追い出されてしまった。