第19話
「行こう」
ハリーは暫く地図を見つめていたかと思うと、急に地図を丸めてローブの下に隠し、レンの手を取ると教室の外に出た。
慎重に隻眼の魔女の像の影に滑り込むと、ハリーはそのまま暫く何も言わなかった。
レンが不思議に思いハリーを覗き見れば、ハリーは地図をじっと見ている。
ハリーは地図をレンに持たせ、片手は繋いだままで、もう片手に杖を持ち地図が示したように像を叩いてみる。
レンは地図をじっと見つめていた。
小さなハリーが、地図の中で像を杖で叩いている…するとその場に「ディンセンディウム、降下」と文字が現れ、レンはハリーの手を引いた。
ハリーはそれに気付き、同じように地図を覗き込めば「ディンセンディウム、降下」と同じように呪文を唱えて瘤を叩く。
するとたちまち像の瘤がわれて、かなり細身の人間が1人通れるくらいの割れ目が出来た。
「大丈夫、まだ誰も来ないみたいだわ。」
「それじゃ、僕が先に行くよ。合図したら降りてきて。」
ハリーの言葉にレンは小さく頷く。
ハリーは身を乗り出す様にして、頭から割れ目につっこみ体を押し込んでいく。
そして割れ目の中に体が消えていけば、レンは地図を再度見て人が来ないかどうかを確かめた。
大丈夫…ハリーと自分以外にこの辺りに人気はない。
少しの間そう見ていれば、ハリーの動きが止まり、そのまま動く気配がない。
が、割れ目からはハリーの声も音も聞こえない。