ハリーは7つある抜け道の事をハーマイオニーに丁寧に説明していた。
フレッドとジョージの考えでは7つある内の4つはフィルチが知っている事。
1つは崩れているから誰も通り抜けられない事。
もう一つは出入口の真上に暴れ柳が有る為、出られない(とハリーや双子も考えている)
そして最後の1つ…自分達が通ってきた今の道だ。
そこは見つけ難いとハリーは言ったが、段々と口篭っている。
するとロンが意味ありげに咳払いをして、店の出入口の張り紙を指差した。
『魔法省よりのお達し
お客様へ
先般お知らせ致しましたように、日没後、ホグズミードの街路には毎晩吸魂鬼のパトロールが入ります。
この措置はホグズミード住民の安全の為に捕えたものであり、シリウス・ブラックが逮捕されるまで続きます。
お客様におかれましては、買い物を暗くならないうちにお済ませくださいますようにお勧めいたします。
メリークリスマス!』
「ね?」とロンはそっと言うと話を続ける。
「ホグズミードには吸魂鬼がわんさか居るんだ。その中、店の中に押し入ったりするなら拝見したいもんだ。」
ハーマイオニーはそれに納得しながらも何かハリーを城へと帰させる理由を考えている様だった。
「ねぇ、ハーマイオニー。折角のホグズミード休暇なの…私はお城で時間を潰す事だって全然構わないと思うけど、ハリーはそうじゃないわ。皆と同じ様にホグズミードでクリスマスの楽しみを味わいたいと思っている。」
レンがそういえば、ハリーは大きく頷き、ロンは賛同していた。
「けれど、大人達は皆、危険だから。そういう理由でハリーを拘束するわよね。」
「けれどそれはっ!」
「そう、ハリーの為を思って。ハリーを守ろうとしての事…だけれど、この時という時間は今しかない。ハリーが折角のクリスマスの思い出をお城で1人寂しく皆の帰りを待っている…そんな思い出では可哀想だわ。」
ハーマイオニーは心配で堪らないという顔で唇を噛んだ。
「僕達のこと、言いつける?」
ハリーは悪戯っぽくニヤリと笑ってハーマイオニーを見る。
ハーマイオニーはそんな事はしないとは言ったが、その続きより早く、ロンがハリーの手を引っ張って店内の方へと行ってしまった。
ハリーとの繋がれたままだったはずの手を少し寂しそうにしながらも、レンはそれにニッコリと微笑んだ。
「大丈夫よ、ハーマイオニー。貴方の心配している事は100%起こらないわ。シリウスがハリーを襲うなんて絶対に。」
レンがそう言えば、何の根拠もない事だとハーマイオニーは思いながらも何故かそれに説得力を感じ小さく頷いた。