2人はいつも周りを笑わせてくれて、悪戯の首謀者で…そして非常に賢い人達だった。
皆、シリウスとジェームズは兄弟じゃないかと思った程だったらしい。
「まったくそうだった。」ファッジはそう言うと今度は彼が話し始める。
「ポッターは誰よりもブラックを信用した。卒業しても変わらなかった…。ブラックはジェームズがリリーと結婚した時の新郎の付き添い役を務めた。2人はブラックをハリーの名付け親にした。ハリーは勿論まったく知らないがね。こんな事を知ったらハリーがどんなに辛い思いをするか…」
「ブラックの正体が、例のあの人の一味だったからですの?」
マダム・ロスメルタが囁いた。
ファッジはそれに深刻そうな顔をして更に話を続ける。
「もっと悪いね…ポッター夫妻は自分達が例のあの人に付狙われていると知っていた。ダンブルドアがその事を知りジェームズとリリーに知らせたのだ。勿論、例のあの人から身を隠すなど容易な事ではない…それで『忠誠の術』が行われた。」
「どんな術ですの?」
マダム・ロスメルタがそう聞けば、フリットウィックが咳払いし「恐ろしく複雑な術ですよ。」と答える。
その術は、1人の生きた人の中に秘密を魔法で封じ込める。
選ばれた者は秘密の守人として情報を自分の中に隠すので、その情報を見つける事は不可能になる。
秘密の守人が暴露しない限りは、例え2人の家の居間の窓に鼻先を押し付ける程近くに居たとしても絶対に見つける事が出来ない。
そして、マクゴナガルもファッジもハグリッドもフリットウィックも…皆、ジェームズは守人にシリウスを選び、シリウスはそれをヴォルデモートに売ったと考えている。
そしてダンブルドアは、誰かがスパイだという事には気付いていたので、自分が名乗り出てもいたらしいのだ…だが、それはジェームズが受け入れなかったらしい。
そして忠誠の術をかけてから1週間も経たない内に、シリウスがジェームズ達を裏切ったと…。
「俺は奴に出会ったんだ!奴に最後に出会ったのは俺に違ぇねえ!」
ハグリッドは大声で裏切り者だとか罵声を上げた。