既に就寝時間を過ぎており、先生に見つからない様に慎重に談話室に戻ると、其処にはハーマイオニーとロンがまだ起きていた様だった。
「あの…僕達…その…」
レンを見るとロンは立ち上がりそう口篭ったが、レンは「ごめんなさい」と泣き腫らせた顔を見られぬ様に俯いたまま2人の側を通り抜け寝室へと向かって行くと「知っていたわ!」と、その後姿にハーマイオニーは少し大きめな声で声を掛けた。
「ポリジュース薬を飲んだ時にそれっぽい話をマルフォイが言っていたでしょう?私、その話をロンから聞いた時にもしかしてって思ったの。…でも私達その時決めたの!」
「そうなんだ。何があってもレンはレンだ。だから信じようって仲間だから!」
「…有難う。けど、もう良いのよ…。」
レンはそう言うと、止めていた脚を進ませ寝室へと戻ろうとした。
「レンにとって僕達は簡単に終わってしまう程度の仲間だったのか?」
ロンの怒った声が聞こえ、レンは振り向き切なそうに微笑めば、その青い瞳はゆっくりと血の様な真っ赤な色に変わり、瞳孔は蛇のようになり怪しく輝くと、その妖しさから、2人が息を呑んだのが判る。
「この瞳、気味が悪いでしょう?心が負の感情で満たされると、この瞳になってしまうの…これがヴォルデモートの娘である証…彼と同じ瞳…。死喰い人で父親の事を知っている人だってこの瞳を見れば貴方達と同じ様に怯え息を呑むわ…こんな瞳を持っている人を信じられる?」
この瞳…そう…ヴォルデモートと同じなのだ…ルシウスでさえこの瞳を見た時は一瞬息を呑んだ。
俯き、気持ちを落ち着かせて、瞳の変化を元に戻すとレンは少しだけ悲しそうに微笑む。
「…信じて欲しいけど…友達でいたいけど…けど、無理をして疑いや恐怖をどこかにしまいながら付き合われる事は辛いから…。貴方達が信じられないって思っても大丈夫なのよ?…皆を騙し続けていたのに、信じて…なんて都合の良い話だもの。甘えすぎていたのよ…。私はやっぱり友達も仲間も作るべきじゃなかった。独りで居るべきだったの。ハリーに知られてしまった時、知られて傷つけてしまったって…傷つける事が判っていて自分勝手に近付いた事後悔したのに…。今度はロンとハーマイオニーを傷付けてしまった。…学ばないわね。…本当…何をしても駄目で自分自身に嫌気がさすわ…。」
レンはそう言えば、何も言えなくなってしまった2人をおいて「待っていてくれて有難う…おやすみなさい。」と言い残して寝室へと向かいベッドに身を潜らせた。