「何処にでも持って行くが良い。」
こんな物は二度と見たくない…処分してくれるなら大歓迎だ…そんな風に表情が訴えていた。
レンはその表情をみて少しだけ笑えばお礼を言い、その帽子を貰ってダンブルドアの元へと行った。
ダンブルドアについて行って辿り着いた場所は、校長室だった。
用意されているソファに座りなさいと言われゆっくりと腰掛け、自分の分の帽子を膝の上に置き、もうひとつを隣の空いているスペースに置いた。
「レンがそれをそんなに好いてくれるとは思わなかったのぉ。」
ダンブルドアの瞳が悪戯っぽくキラキラと輝けば、レンもニッコリと微笑む。
「ルーピン先生に差し上げようかと思ったんです。今日は残念な事にお食事に参加出来ませんでしたから…」
「それはきっと彼も喜ぶじゃろう。」
ダンブルドアはそう言い、杖を一振りし紅茶を用意してくれ、レンはそれにお礼を言い、それに口を付けた。
「このところ、1人で森に入っている様じゃの。」
ダンブルドアはキラキラと輝く瞳でレンにそう問いかけ、レンは不意の言葉に思わず咽こんでしまえば、ダンブルドアは笑った。
「ごめんなさい、先生。…出来るだけ人に出会いたくない気分で…いつの間にか…家にも森があるから、彼処が落ち着くのかもしれません。」
小さな声で「罰則ですよね?」と聞けば、ダンブルドアは都合の良い耳をしているのか「はて、何の事じゃ?」としらを切ってくれたので、レンは思わず笑ってしまった。
「友とは良いものじゃ。こうして時間を楽しく過ごす事が出来る。辛い時は支え合う事が出来る。実に素晴らしい大切なものじゃ。」
ダンブルドアはレンの事を友だと思ってくれている。
ダンブルドアの宿敵ともいえようヴォルデモートの血を引く娘なのにも関わらず、だ。
ダンブルドアの言葉にレンはニッコリと微笑み頷いた。
「ワシはレンの母君とも友達じゃった。勿論、ルーピン先生も、ハリーのご両親も、シリウス・ブラックもよく知っておる。」
「先生…先生は母とシリウスが恋人同士だったという事はご存知でしたか?」
「勿論、知っておった。元々はご両親同士がお決めになった婚約者だったのじゃよ。お互いにそれが気に入らなかったのじゃろう、互いに嫌っておった様じゃが、心の中には同じものをもった子達じゃ。いつの間にかに仲良くなっておった。結婚式を予定しておったのじゃが、式の前にアクアの妊娠が発覚しての。落ち着いてからと式を延期し、その日の前日にあの事件が起こってしもうた。」
ダンブルドアは優しい瞳でそう語ってくれ、レンもなんだか心が温かくなる思いだった。