第24話
途中まで、もうひとつのバスケットを持って歩いてくれば、悩むのは届け先と届け方…。
もし本当にシリウスに届けて良いのならば…どうすれば良いのだろう…。
彼…シリウスにはもう来ない方が良いと言われてしまっている…。
ダンブルドアに届けろと言われたと言えば、レンを泳がせ自分の居場所を突き止め吸魂鬼に引き渡そうとしている…そんな風に思われて警戒されても困ってしまう。
ダンブルドアがそうしないという保障はないが…あの悪戯っぽい笑みはそんな事を考えている様には思えなかった。
暫く立ち止まり考えた末、レンは犬のゴールデンレトリーバーに変身し、口でバスケットの取っ手を銜え、重みでふら付きながら歩いていた。
勿論、帽子はバスケットの蓋と取っての間に挟んだのでとても持ち難い…。
やっとの思いで暴れ柳まで来れば、その暴れっぷりにたじろいてしまう。
人の姿では何とか避けられ穴に飛び込めたものが、今は慣れない姿で歩くだけでもふらつく重たい物を咥えているのだ…。
すると、どこからともなくクルックシャンクスが現れてジッとレンを見つめていたかと思うと、暴れ柳の一部分を手で押さえる。
すると暴れ柳は大人しくなり、今ならば今のレンでも穴まで行けそうだった…。
レンはクルックシャンクスを見れば、彼もまたレンをジッと見ている。
その瞳は「早く行け」と言っている様にも思え、レンはその穴へとバランスを取りながら飛び込んだ。
クルックシャンクスはレンの後から穴に飛び込み、そしてレンを追い抜かすと先頭を誘導する様に歩いていく。
時折振り返り、ちゃんと着いてきているか確認している様なクルックシャンクスの愛らしい姿に、思わず笑みが零れてしまいそうだった。
いつもより時間をかけて、暴れ柳の向こう側…ホグズミードの屋敷へと辿り着けば、一度バスケットを床に置きレンは一息吐く。
人の姿でも少し重かったそれを、銜えて歩くのはとても大変だった。
だが、これしか方法が思いつかなかったのだ…。