「先生は新しい箒を用意しておくようにって言っていた?」
「ううん。何も。」
「なら、試合までには戻ってくるわよ。マクゴナガル先生だって優勝杯が欲しいと思っているもの。」
「戻ってきた時に、ちゃんと元通りじゃなかったら?」
「元通りに出来ない物を分解して調べるなんて言わないわ。」
「でも、新品のファイアボルトを分解するなんて何考えてるんだか判らないよ!!」
ロンは怒りの為、早口になりながらもそう言うと、レンに「キミはハーマイオニーか僕達かどちらの味方なんだ?!」と怒鳴るように言った。
「私はどちらの味方にもなれないわね。」
その言葉に、言った本人のロンが小さく首を傾げる。
まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかったのだろう。
「シリウス・ブラックが関わっている事で貴方達とは仲違いをしているのだもの。私があの時言った言葉は変わらない。」
レンがそう言えば、ハリーは眉を顰めた。
今でもレンがそう思う事が許せないのだろう…。
「それにハリーもロンもハーマイオニーも私にとってはとても大切よ。そんな人達をバラバラにするような事にも加われない。」
「なら…どうして、シリウス・ブラックが無実だってあの時あんな事を言ったの?」
ハリーはレンの方をやや睨むようにしながら真剣に言えば、レンは小さく息を吐く。
「そうだと確信を持っているから。…もし私の言う通りだったら、ハリーの家族になれる人がいるのよ?もうダーズリーの家で嫌な思いをしなくて済むの。母が信じた絆も信じたいけど、ハリーの為にもその可能性も捨てたくないわ。」
2人は無言のままレンを見つめ、レンは「シリウスはとても良い人よ。本当の彼を知ったらハリーはとっても気にいると思うわ。」そう言い残して談話室を後にした。